2011年に読んだ作品、ベスト20

時期を逸した感がものすごくするが、今更ながら私的な「2011年のベスト20」を。
読んだ本の数:300(1日平均0.82)読んだページ数:90687(1日平均249)
順位付けはありません。
2011年は何とか300冊読めたが、それでも2010年は470冊読めてたので、2/3以下の量。ただ今年はWEB小説とやる夫スレを結構多く読んだからその影響もあるかな?でもどっちも読めない期間もあったし、それらを読まずに読書だけって時のペースも減じているから、読書ペースが下がっているのはまず間違いないけど。というかラノベの新シリーズをあまり読まなかったからそっちの影響も、っていっても割合的にはほとんど変わらないか。
 量が減っても、2011年も様々な素晴らしい本や物語に新たにであえたので、その事に感謝。
 やる夫スレとか、WEB小説とかは基本的に星評価つけていないから、自分が忘れないようにあとで良かった物を別途にまとめるかなあ。


歴史 4
渡辺京二傑作選1 日本近世の起源」

渡辺京二傑作選? 日本近世の起源 (新書y)

渡辺京二傑作選? 日本近世の起源 (新書y)

 去年末には網野さんの本を読んで衝撃を受けたが、今年は渡辺京二さんの本に衝撃を受けた。
 これはすごいわ。これほど面白い、江戸時代の本ははじめてだ!渡辺さんのすごく魅力的で説得力あふれるな歴史観には惹かれる。
「逝きし世の面影」
逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)

逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)

 田園都市、江戸とか、管理された自然と言う考えは今までなかったので、驚いた。渡辺京二さんの歴史観の本は読んでいて面白い。今年はもっと読むぞ!
「謎解き 古代飛鳥の真相」
謎解き 古代飛鳥の真相 (学研M文庫)

謎解き 古代飛鳥の真相 (学研M文庫)

 古代史の本はどうも読みづらい本が多い印象があるけど、中村さんの本は知識がなくても読みやすい。
 それに古代史の本で、このくらい広い年代を扱っている本もなかなかないし、このクオリティの高さでとなったらさらに少ないだろう。
「東と西の語る日本の歴史」
東と西の語る日本の歴史 (講談社学術文庫)

東と西の語る日本の歴史 (講談社学術文庫)

 日本史の本をよく読むようになったのは、色々な気づきがある、網野さんの本から。東国史、そうした地域史について意識したこと無かったので、面白かった。

小説 5
「ミレニアム 3部作」

ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 今年小説・ライトノベルで時間を忘れるほど熱中して読んだものが「ミレニアム」だけ。1の上巻の段階では読みやすいけど、それだけかなと正直侮っていたが、それ以降はすごいは。星4つつけたけど、もっとたかくても良かったくらい。少なくとも最後の下巻の100ページのリズベットの旅行とニーダーマンとの対決シーンが蛇足に感じなければ、もっと上つけてた。

シアター!」シリーズ

シアター!〈2〉 (メディアワークス文庫)

シアター!〈2〉 (メディアワークス文庫)

 有川さんの本は小説・ライトノベル、どちらのジャンルにおいていいのかわからん。読んだときは結構面白いくらいだけど、なんか読み終わった後何回も再読してしまう。星はそのときの気分で★くらい上下するけど、今つけるとしたらもうちょっと上かな。

「ハーモニー」

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)

 虐殺器官に比べると好みではない(終わり方は好みでない分)が、面白かった。理屈っぽい台詞がいやみにならず、むしろ読んでいて面白く心地いいのがよかった。
 あと、どうでもよいことだけどまだメタルギアのあれ読めていないや(苦笑)というか、そのことを思い出したのこうして、2011のベストを作っている最中だよ!
まごころを、君に THANATOS」
まごころを、君に THANATOS (講談社文庫)

まごころを、君に THANATOS (講談社文庫)

 今年、ろくにミステリーを読めなかった中、数少ない新しく読み始めたシリーズ。1作目を読んだ段階ではそんな期待していなかったが、これは本当面白かった。
 今年読んだ学園ミステリーの中でもベスト!ミレニアム読んでいなかったら、今年読んだミステリーの中でもベストだった。
ティファニーで朝食を
ティファニーで朝食を (新潮文庫)

ティファニーで朝食を (新潮文庫)

 この短編集では、表題作より「クリスマスの思い出」が印象深い、この短編には、めったに味わえない背筋がゾクゾクするような感動を与えられた。
 今年読んだ短編ではベスト!ただ、短編自体あまり読まないから、あまり意味無い褒め言葉かもしれないけど(笑)


ライトノベル 4
魔法科高校の劣等生

魔法科高校の劣等生〈4〉九校戦編(下) (電撃文庫)

魔法科高校の劣等生〈4〉九校戦編(下) (電撃文庫)

ログ・ホライズン
↑の2シリーズは両方元がWEB小説でそっちで一度読んでいたけど、読んでいて楽しかったとなるとこれらがはいるな。両方とも面白いから、毎回購入後すぐに読んでいる、WEBで一度読んだことがあって筋を知っていてもやっぱり面白い作品は面白いね!それに両方とも細やかな修正はあるとはいえ本文が出来ているから、発刊ペースが速いのもいいね。「ログホライズン」は5巻の<ログ・ホライズン>のギルド拠点の絵(図?)はよかった、見ているだけで楽しい気分になってくる。
ベン・トー
 アニメ化効果か今年3冊も出てくれた。このシリーズは毎回安定して面白いなあ。
「テルミー」
テルミー きみがやろうとしている事は (スーパーダッシュ文庫)

テルミー きみがやろうとしている事は (スーパーダッシュ文庫)

テルミー 2 きみをおもうきもち (スーパーダッシュ文庫)

テルミー 2 きみをおもうきもち (スーパーダッシュ文庫)

 以前話題になっていた作品だけど、2巻出るのを契機にようやく読めた。すごく綺麗な作品。

思想・宗教 1
「ツチヤ教授の哲学講義」

ツチヤ教授の哲学講義―哲学で何がわかるか? (文春文庫)

ツチヤ教授の哲学講義―哲学で何がわかるか? (文春文庫)

 すごい面白くて、納得しやすい説明。
 ふだん使っている言葉を狭くとらえて、その狭くしたひとつの要素こそがたとえば真の「時間」といって、普通つかっている「時間」は本当の時間ではないといってたりするけど、それは「常識の誤りを正しているのではなくて、実質的には、日常的なことばづかいに反対することになる」だけで哲学の問題でなく国語的な問題だ。という説明は、すごい納得できて、腑に落ちた。
 ヴィトゲンシュタイン言語ゲームという考え方は難しいけど、すごい説得力のある考え方。この本は今まで読んだ考え方の本の中で一番衝撃を受けた。

WEB読み物 5
「やる夫鎌倉幕府
泳ぐやる夫シアター 歴史系 やる夫鎌倉幕府
 鎌倉時代の知識なかったが面白い、鎌倉の歴史本を買うようになった契機の作品。この作品で、和田義盛九条道家三浦義村など今まで知らなかった人を好きになった。
 そういう本を読んで改めて、この「やる夫 鎌倉」が0からこの時代の流れをつかむのには間違いなく最高の作品だとわかる。
「新・やる夫の関が原戦線異常アリ」
それにつけても金のほしさよ  新・やる夫の関が原戦線異常アリ まとめ
 豊臣時代。戦国時代のことろくに知らないけど、楽しめた。「やる夫 鎌倉」級の衝撃。文禄・慶長の役について、こんな詳しい話を読んだの初めてだが、面白いなあ。
 「やる夫 鎌倉」と並んで、歴史の政治のことを読むことが、こんなにも楽しいことだと教えてくれた作品。しかも、かなり笑えるところが多いのもよかった。しかし、この時代色々とやばい人間が多すぎだろ(笑)
「やる夫たちと学ぶ江戸時代」
【綱吉・白石・吉宗 他】やる夫たちと学ぶ江戸時代 その2(まとめられてないようなので、リンク先 現行スレ)
 同作者の「やる夫 吉良邸」もいいけど、歴史が読みたいから四谷怪談もはいっているので、全部歴史の話な分こっち。これも政治の話の楽しさ。江戸時代についての本は、民衆についての本は一杯あるのにこの時代の政治の本って案外少ない(のか、明集の事が多すぎて探しづらいのかな)ので、こうした江戸の政治を説明してくれる作品は嬉しい。この3つは読みやすく、わかりやすいのに、歴史の勉強、理解の助けにもなるのが嬉しい。
「やる夫はプロ野球選手になるようです」
やる夫ブログ やる夫はプロ野球選手になるようです
 スポーツもの、ジュブナイル。チームの人間全員キャラ立っていて、魅力的。キョンのキャラにはとても笑った。
 オリジナルのやる夫スレでこれほど面白くて完成度が高く、この程度の短さできっちりまとまっているものを他には知らない(やる夫スレは長大になりがちだから)。しかし、完結後の短編のまとめが散らばっていて読みにくい。
 これを読んだ後、しばらくやる夫スレでスポーツものをあさって読んだが、匹敵するものは今のところまだ読めていない。
オーバーロード
オーバーロード(オリジナル異世界転移最強もの)
 前半終了で現在休止中。最終更新10月で半年休養ということなので、次に更新が来るのは4月か、それとも半年の休養後に書き始めるとしたらもうちょい遅くなるのか?
 今年読んだWEB小説の中でも一番面白い。でも、面白い「けど」、という風に面白さと同時に一番文句を付けたくなるような小説だ。主人公の性格がちょっと……。感想欄では、萌え骨(うろ覚え)とか何とかいわれてるのをみて、そういうキャラだと思ってみるとほんの少しだが、ましけど、主人公の出番が来るたびフラストレーションが溜まる溜まる。主人公の出ないシーンの方が面白いのはどうなんだろ?前半の最終話でも皇帝の旗下に入るという選択をした時点で爽快感が味わえなかった。形式上でもそうした誰かの下に入るのは不満。というかアインズの部下がかわいそうだ、上に立つものとしての能力(というか適正)なのに、主人が雑魚の下に入ってどうするという印象。適当に征服して統治したほうが誰にとっても楽なんじゃないの、アインズは関わらず(かかわって事態を好転させる能力が皆無な人なんだから、分を知れ)、部下の誰か一人に統治させてさ。そんなわけで、前半最後はナザリック対王国でナザリックの力を見せ付けながら終わるという展開を期待していた分、ちょっとガッカリ感が。
あと、圧倒的なテキスト量に比べ、展開が遅いのが。でも同時にこんなにも多くの文字を費やすほどの魅力があるWEB小説も他にあまりない。
「戦」では「ベストセラー小説の書き方」で紹介された、異種生物(だっけ?あっちはたしか自身の小説の宇宙人の描写を例にあげていたと思うが)の書き方を思い起こさせ、同じくそうした書き方の例としてあげられても良いほどの、リザードマンの描写、人間とは違う生物がはっきりとはわかりながらも人間と同程度の知的な種の伝統を持った生命体であることも伝わる秀逸な描写であったから、もっと単純な俺tueeeというキャラでも絶対面白いのに、というか俺はそっちの方が見たいのにと期待しちゃうんだよなあ。勝手な期待とはわかっているけど……。個人的には、そうしたもっと単純な俺tueeeキャラが主人公だったらいいのにと思わせる作品は、他には「大友の姫巫女」とかかな、むろんアレほど楽しめる人を選ぶような作品ではないけど。

マンガ 1
センゴク

センゴク(15) (ヤンマガKCスペシャル)

センゴク(15) (ヤンマガKCスペシャル)

センゴク外伝 桶狭間戦記(5) <完> (KCデラックス)

センゴク外伝 桶狭間戦記(5) <完> (KCデラックス)

センゴク天正記(12) (ヤンマガKCスペシャル)

センゴク天正記(12) (ヤンマガKCスペシャル)

 3巻までは前の年に読んだけど、それ以降と「センゴク外伝桶狭間戦記」と「センゴク天正記」(12巻が出ていたのか、早速読まなくては)を2011年に読んだ。
 戦国時代、詳しくないので面白いわ。「やる夫 関ヶ原」は秀吉の世になってからだし、そこらへんの知識が空白だから面白く、勉強になる。マイナーな主人公ながら、織田・豊臣の配下だから王道的な物語になっているのがいい(そもそも知識少ないから、いきなりニッチなものを読んだら、その話が戦国時代の中でどのような意味をもつか理解できなくて、面白い話でも理解できないだろうと思うから)。絵で見てみると、案外、兜の突飛さは気にならないものなんだね。