よんだもの

以前感想を書いたままほったらかしになっていたので、文章が頓珍漢なものにならない(常時そのようなものじゃないか、と言われれば返す言葉もないが)うちにさっさと蔵出し。


やらない夫と真紅が、小説を読むようです 」
小説を読む人たちの話。雰囲気が非常によい作品。
最初の回を読んで、小川洋子「海」は読んだことあるけど、個人的にはストーリーがなくて、読みやすいけど特に面白さは感じないな。という作品だったので、良さを感じて、作者の感性や文章を話している2人を見て、小説(文学)ってこんな風に楽しむものなんだということをちょっと感じて、ある種カルチャーショックといいますか、
僕が持つ尺度がストーリーが面白いかどうかということくらいしかないので、文章の雰囲気(というとぼやけて感じられるけど、彼らのような人から見たら、もっと実体(?)をもった確乎としたものなんだろうな)そのものを読み取って味わうという発想は正直なかったわ。
僕も文章が綺麗だとは感じることもあるけど(たとえば「あまりにも騒がしい孤独」の文章は本当に綺麗だ)。
個人的な琴線にふれない(ふれることはめったにない(笑))文章は、読みやすいか読みにくいか、それとも変わった文体かくらいの判断しか出来ないからな、それに綺麗と感じるかどうかをふくめても、僕は文章の判断基準が4つしかないのか。と改めて数えてあまりの文章に対する感受性の目の粗さに自分でも驚く(笑)。
「【安価】入速出やる夫の魔法使い生活」
魔法剣の精製法(失伝)を、試作3回で誰でも作れる理論を掛けるレベルになったのには笑う。安価の神が降りたwwセシルのAAには波だめになるほどリアルで笑いが止まらなかった。
面白くなりそうだったのに、読者とギクシャクして変な終わりになったのは残念。
「ブリジットという名の少女」
ついに完結。正直終われるとは思っていなかったので、望外の喜び。
「やる夫達は戦後の裏舞台を戦い抜くようです」
最初は戦後を舞台にしたオリジナル(つまり時代小説みたいなもの)と思っていたが、戦後の政治の動きを扱う歴史作品だった。
それがわかった後は、本当に興味深く読むことができた。下山事件、色々と本が出ていることは知っていたが、詳しい内容を読むのはこの作品がはじめてだった。
戦後の政治などの歴史を扱った、歴史作品が他にもぜひとも読みたいなあ。小説とかノンフィクションで、物語性が豊かな作品でそういう風なのないかしら?