ソードアート・オンライン 14

内容(「BOOK」データベースより)

“公理教会”の象徴である白亜の塔“セントラル・カセドラル”。隔離された大図書室の賢者“カーディナル”の助けを借り、ユージオは整合騎士となってしまったアリスを“本当の姿”に戻すため、キリトはこのアンダーワールドの消滅を回避するため、最高司祭“アドミニストレータ”の待つカセドラル最上階、一〇〇階を目指す。そして到達した九十九階。キリトとアリスの前に現れたのは、整合騎士の鎧に身を包み、瞳に冷たい光を浮かべたユージオだった。躊躇いなく剣を抜くユージオを、やむなく迎え撃つキリト。旅立ちの日、遠い雷鳴に感じた戦いと別離の予兆は真実となってしまうのか。キリトの必死の呼びかけは、記憶を封じられたユージオに届くのか。アリシゼーション・人界編、完結!

 敵の大親玉であったアドミニストレータも倒したので、アリシゼーション・人界編もとりあえずひと段落だが、まだまだキリトが現実世界へと帰還できる日は来ずに、今後もアリシゼーションの世界での物語は続く。
 最終決戦ではあるから致し方ないところもあるけど、1巻丸々戦闘シーンで終わってしまった。相手のチュディルキン、アドミニストレータは嫌なキャラだし、個人的には魅力を感じないキャラなので、アドミニストレータによって苦戦を強いられて、そして仲間が一人、二人と欠けて落ちるさまを見るのは決して気持ちのいいことではないから、読んでいて疲れてしまった。面白いとかではなく、早く終われ早く終われと思いながら、いつものように一文字一文字読むのではなく、ざっと行を眺めるように読み進めてしまった。あとがきを途中で見て、ユージオの死を知ったので、それが不可避の運命と知りながら、彼らの戦いを見るのはやはり息苦しい思いがしてしまったというのも読むのにしんどさを感じた理由の一つでもあるかな。まあ、それは自業自得だし、それを知らずとも読むのにつらいからあとがきを読んで、少し息抜きしようと思ったのだけど。
 キリトが心意で容姿までSAO時代のものに変えて、技を強化し、チュディルキンを一撃で行動不能にするというのは、流石のキリトだが、敵手のアドミニストレータがそれより何倍もチートだからなあ。
 カーディナルとユージオという二人の味方キャラが死んでしまったのは悲しい。
 二人とも瀕死の状態にあるときに、ユージオの心意の力がキリトに力を与えた。そのときのユージオ「さあ、立って、キリト。僕の、親友……。ぼくの……英雄……」、キリト「ああ…立つよ。お前のためなら、何度だって」という会話はすごく良かった。
 アドミニストレータを妥当した後、ユージオは自分が死ぬときに泣いているキリトをなだめ、微笑をたたえながら静かに逝った。その死に様は悲しいが、ひどく美しい。もちろん、ご都合主義的でもこれほど美しくなくとも、ユージオが生きていてくれたほうが良かったし、うれしかったけど……。
 6月には新シリーズ「絶対ナル孤独者」がスタートか、たしか以前(今も?)著者のHPで掲載されていた小説だけど、読んだことないから、どんな作品なのかわからないので、どういう作品か楽しみにしている。まあ、そんなにシリーズ増やして(AW、SAO、SAOP、絶孤)それぞれの作品の進行が遅れるのではないかという心配はあるのだが。特にAWとかSAOPはただでさえ進行遅いし、SAOもアリシゼーション編となってから、今回も感じたが、進行遅くなっているので、シリーズが一年に1冊とかしかでないようになるのはちょっとな。