9月に読んだ本まとめ

2016年9月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3525ページ
ナイス数:190ナイス

マージナル・オペレーション 空白の一年(下) (星海社FICTIONS)マージナル・オペレーション 空白の一年(下) (星海社FICTIONS)感想
今回は「遙か凍土のカナン」との関連性が高いみたい。アラタと血縁関係があってよく似ている「カナン」の主人公と親交を持っていた、シベリア共和国の偉いさんが2人が血縁で似ているという理由であれこれとちょっかいをかけていたようだ。ハキムは後に仲間となるが、最初の出会いはアラタたちとタリバンを戦わせようとしてシベリアが送り込んできたスパイだったのね。
読了日:9月30日 著者:芝村裕吏,しずまよしのり
原色の戦後史 戦後を日本人はどう生きたか (講談社文庫)原色の戦後史 戦後を日本人はどう生きたか (講談社文庫)感想
戦後30年のふりかえりで当時起きた大きな事件や出来事などを、1編十数ページほどでその事件に関係した人々に取材した新聞記事とか雑誌記事風な文章で書いてある。教科書で宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」の一日玄米三合という文章を見て(原文は四合だが、文科省は配給事情を考えて、三合にしたのだが)、生徒が贅沢だといったというエピソードが当時の窮乏ぶりを感じさせる。当時の米の配給量は一日二合一勺。
読了日:9月30日 著者:大島幸夫
警察回り 本田靖春全作品集警察回り 本田靖春全作品集感想
著者が警察回りをしていた頃に新聞記者の溜まり場となった「素娥」というバー。記者たちはそこの店主新井素子(呉素娥)さんのことをバアさんと呼びながらも慕っていた。台湾出身の彼女の人生やその店に集っていた新聞記者たちの話、その店の思い出、著者が警察回りをしていた若手記者時代の仕事の話などが書かれている。
読了日:9月30日 著者:本田靖春
さよなら、サイキック 1.恋と重力のロンド (角川スニーカー文庫)さよなら、サイキック 1.恋と重力のロンド (角川スニーカー文庫)感想
時載りリンネ!」は好きだったので、その作者さんの新作が久しぶりに出てくれて嬉しい。普通に超能力がある世界観ではない中で、超能力などの特別な力を持つ主人公獅堂ログ、木佐谷樹軍乃、星降ロンド・タルクウィニア3人の青春物。
読了日:9月30日 著者:清野静
ブロディーの報告書 (岩波文庫)ブロディーの報告書 (岩波文庫)感想
まえがきに『ストレートな短編』(P9)とあるように、リアリスティックで読みやすい短編集。「フアン・ムラーニャ」家主が家を追い出そうとしているという話を聞いた伯母が言った、亡き夫であり有名な無法者であった『フアンが許しゃしない』という言葉。その後家主が殺された時に伯母が放った『わたしの言ったとおりだろ。(中略)フアンが許しゃしないってね』という言葉。偶然かと思いきや、彼女の中では真実を述べていたことがわかる意外な結末。ミステリー的な面白さがあって好き。
読了日:9月30日 著者:J.L.ボルヘス
魔法科高校の劣等生 (20) 南海騒擾編 (電撃文庫)魔法科高校の劣等生 (20) 南海騒擾編 (電撃文庫)感想
今回、日本と大亜連合との講和を阻止しようと破壊工作を目論む大亜連合側の反対勢力の捕縛するため、日本と大亜連合の両国軍が協力することになる。そこに達也と深雪も協力する。こうした味方になるとは思っていなかった意外な人や勢力との一時的共闘をするという展開は好き。あとがきによると当初は番外編で3年生メンバーの活躍を書く話にする方針だったみたいなので、実際には3年生組の活躍は控えめなものになってしまったのはちょっと残念。
読了日:9月30日 著者:佐島勤
美濃牛 (講談社文庫)美濃牛 (講談社文庫)感想
再読。一章の飛鳥のパートで、羅堂哲史の愛しい純情さを田舎の子だからかなと思っていることが書かれる。現在は牛狂いの父のせいで田舎に暮らしているが哲史は都会育ちなのに、そう思われている。その田舎の子という認識が、飛鳥に哲史を汚してはならない存在のように感じさせて哲史を遠ざけることにつながったとすれば悲しい。真相を知った後で見ると、陣一郎(鋤屋和人)の『窓音は羅堂の血をいちばん濃く引いてるからな』(P290)という言葉に怖さを感じる。
読了日:9月30日 著者:殊能将之
ゴブリンスレイヤー3 (GA文庫)ゴブリンスレイヤー3 (GA文庫)感想
受付嬢と牛飼娘に誘われて収穫祭を彼女たちと過ごすことになったゴブリンスレイヤー。幼馴染の牛飼娘と十年ぶりの祭りで、ゴブリンスレイヤーが彼女が子供の頃好きだった安物の指輪を買ってきたシーンは微笑ましい。そして「矢」避けの加護を持ったボスを、「剣」扱いの遠距離武器である投げナイフで倒すというのはゴブリンスレイヤーらしくていいね。あとがきによると次巻はゴブリンスレイヤー以外の人々が主役となる短編集とのことで楽しみ。
読了日:9月30日 著者:蝸牛くも
食べる人類誌―火の発見からファーストフードの蔓延まで (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)食べる人類誌―火の発見からファーストフードの蔓延まで (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)感想
再読。食事の歴史で起きた8つの革命(調理の発明、生命維持だけではなく儀式や魔術的な意味を持つ食事、牧畜のはじまり、農業のはじまり、社会階層によって異なる食事、貿易や帝国の影響などでの食の変化、コロンブスの交換、現代の食べ物の工業化)がそれぞれ章にわけて書かれている。貝などの『軟体動物の養殖は採集の自然な延長のようなもので、手だけで行うことができる。』(P132)一方で狩猟には複雑な道具が必要。そのため軟体動物の養殖(一種の牧畜)と狩猟では、前者のほうが先行したのかもしれないという話は面白い。
読了日:9月30日 著者:フェリペフェルナンデス=アルメスト
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女I」本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女I」感想
「領主とイタリアンレストラン」正式開店前に新しい物好きな領主ジルヴェスター、そして神官長やカルステッドとその店で食事をすることになる。こうした美味しそうに食事をとっているシーンは好き。出版事業の資金集めのために行ったフェルディナンドのコンサートでは、神官長の人気ぶりが見られる。「腹の痛い料理人」格上の料理人イルゼに自信作を味見されているフーゴは緊張しながらも、イルゼにもローゼマイン様のレシピなら負けないと思っている。それでイルゼに自信作が面白くなさそうに認められて「勝った」と喜んでいるのがいいね。
読了日:9月28日 著者:香月美夜

読書メーター

ラ/////5
小//
ノ/
歴/
そ/


ライトノベル 5
小説 2
ノンフィクション 1
歴史 1
その他 1


 5月分以来、先月に読んだ本のまとめをやり忘れていたことに気づいてちょっとショック。

 9月に読んで特に特に面白かった本
「警察回り」
「ブロディーの報告書」
 読みやすかったし印象に残るシーンもあって面白かった。
「美濃牛」
 久しぶりの再読。よかった。