ソードアート・オンライン オルタナティブ クローバーズ・リグレット 3

 

 

 ネタバレあり。

 今回クレーヴェル(暮居海世)が社長を務める会社の社員たちが登場。1章では風邪をひいた彼の代わりにリリカがVRオフィスの案内役として登場。そんな彼女と顔を合わせたナユタは、クレーヴェルと親しげなリリカにその正体が明らかにされるまで少しやきもきする。クレーヴェルの会社、ゲーム内の観光以外にもVRオフィスの構築を請け負ったりとか色々とやっているのね。

 2章ではクレーヴェルとナユタが順調に仲を深めている様子が書かれる。そしてクレーヴェルも友人(ナユタの兄)の死によるサバイバーズ・ギルトを抱えていて、ナユタはそれに気づいていることが書かれる。ナユタは家族の喪失による強い悲しみからコヨミやクレーヴェルのおかげで前を向けるようになったから、いまだ苦しむ彼の助けになりたいと思っているようだ。

 3章では、そして≪ガッコウ(仮)≫というクエストの関係者テストプレイに参加した時の話がかかれる。そのテストプレイの場でナユタはクレーヴェルの会社の社員である千手屋や大柿と初めて会う。ランダムに組み分けされて、ナユタは千手屋や菱川といった初対面の人たちとパーティーとなってこのテストプレイをすることになる。菱川の一つの優しい嘘の話が印象的だった。

 4章ではクレーヴェル、ナユタ、コヨミといういつものメンバーにマヒロとリリカを加えた5人で新規イベントミステリートレインの先行体験に行くことになる。その列車内でのイベントで、二人きりになったクレーヴェルとナユタ。そこでナユタは今までよりも踏み込んだ発言をして、あと半年で大学生だということを述べる。しかし、その二人の会話中にイベントの条件を達成したことによるNPCが出現していた。

 終章ではクレーヴェルの会社の天才技術者である八鳥とナユタの会話。彼はナユタに『言葉も行動も冷静なのに、目つきにだけ鬼気迫るものがあった』(P313)クレーヴェルを変えてくれたことを感謝していることを伝える。それもあってクレーヴェルの周囲の人たちもナユタに好意的だった。

 「あとがき」によると『クローバーズ・リグレットはこれにていったん幕引きとなります」(P327)とのこと。面白かったので寂しくはあるが、クレーヴェルとナユタの二人は遠くない未来に結ばれるだろうと思える終わり方だったので良かった。