ソードアート・オンライン 21


 ネタバレあり。
 ユナイタル・リング編開始。あとがきによるとユタイナル・リング編の始まりは『アリシゼーション編のラストから約一ヵ月後となっています。』(P290)とのこと。
 アリシゼーション編のラストで再度アンダーワールドにダイブしたキリトたちは宇宙空間で整合機士の少女を助けた後に食事をご馳走になりながらアンダーワールドの現状をレクチャーしてもらったが、ダイブ前に5時間経ったら強制的に覚醒させるという約束があったのでログアウトした。すぐにでも再訪したいが『凛子博士と比嘉さんに、俺たちが持ち帰った情報を詳細に検討して現在のアンダーワールドへの影響を評価し終わるまでダイブ禁止! と言われてしまったのだ。』(P32)そういうわけでそれ以降はアンダーワールドに行けていないというのがキリトたちの状況のようだ。
 ALOの新生アインクラッドにあるログハウスでキリトはアスナやアリスと話していると大地が揺れて、アインクラッド全体がバラバラになりながら落ちていく。その中で思い入れのあるログハウスを壊さないように三人はログハウスが乗った地面ごと飛行しながら力の限り押すことで少し遠くの川の上に着水させた。それを見とどけた直後ALOで持っていた飛行能力が失われたことで三人とも高所から川に着水する。そしてメニューを出す方法などのUIが変わったり、使用時間が長い少数のアイテムや最も熟練度の高いスキルを除いてアイテムやスキルがなくなり、レベルが1になっていた。
 三人が着水させたログハウスは崩壊こそしてはいなかったが、そのままにしておくと壊れてしまうという状態になっていた。そのためログハウスを直すために必要な材料を手に入れるために動く。そうやって3人や途中で加わったリーファがログハウスを直すために色々と材料を集めたりものづくりをする。そうして新しいゲームで装備や知識もほとんどないなかで、手探りで色々と考えながら動いている様子を見るのが楽しい。
 ログハウス修復の途中でキリトは一時ログアウトした後に、直葉(リーファ)と一緒に再度ログイン。そしてリーファにログハウス修復を手伝ってもらう。
 キリトはログアウト時に『百以上のVRMMOワールドで大規模障害が発生中』(P113)というニュースの見出しを見る。それほど多くのVRMMOプレイヤーが転移してきているのに、ユナイタル・リングがALOやSAOよりもグラフィック綺麗。そのことにキリトは『それだけの数をうけいれるキャパシティがあるのに、これほどの解像度で世界を構築することが、果たして二〇二六年現在の技術で可能だろうか……?』(P156)と疑問に思う。この巻冒頭で書かれていたカヤバとキリト(アンダーワールドで多くの時間を過ごした記憶を持つキリトのコピー)と思しき者たちの『今や国内のスパコンのほとんどは≪彼女≫の監視下だからね。
  >なるほど、皮肉な話だ。あんた自身が気まぐれに作り、遺棄したはずのプログラムに足許を脅かされているんだから。』(P10)という会話ログから考えるとカヤバがかつて作ったプログラムが独自に動いて今回の事態を起こして、グラフィックの綺麗さはそのスパコンを監視下に置いているプログラムがスパコンを使っているから実現しているということなのかな?
 一時的に前の装備が使えていた猶予期間が終わるとともに『種は芽吹き、枝葉を広げ、環となって門を作る。望み果つる大地に招かれた者たちよ、一つの命を守り抜きなさい。数多の苦難を耐えしのび、幾許の窮境を生きのび、極光の指し示す地へと至った最初の者に、全てを与えましょう』(P199-200)という声が降りそそいだ。
 その後に引き続きログハウスの修理している4人のもとに、他のプレイヤーのパーティーが来た。彼らから自分の家でログアウトしてもアバターが消えなくなったということやこの強制転移させられたユナイタル・リングの世界では一度死んだら二度とログインできないという情報を得る。
 そうして友好的に交流していたが、モクリという男が不意打ちでキリトを攻撃してくる。例の全体に降りそそいだ声で最初のものに全てを与えるという言葉があったが、彼らは数多のワールドのプレイヤーが参加させられているこの事態で一位になったら何が貰えるかという好奇心もあって一位を目指している。そのためALOの九種族統一トーナメント二位のスプリガンのキリトが拠点を固める前に脱落させしておこうと不意打ちをしたようだ。人数差もあって厳しい戦いを強いられていたが戦いの最中にユイやリズ、シリカと合流したこともあって勝利する。その後ログハウスの修復を終えてログアウトした。
 そして翌日にキリトとアルゴが久々の再会、現実では初めての対面、を果たしたといったところで終わる。