アクセル・ワールド 24 青華の剣仙

アクセル・ワールド24 -青華の剣仙- (電撃文庫)

アクセル・ワールド24 -青華の剣仙- (電撃文庫)

  • 作者:川原 礫
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/08/10
  • メディア: 文庫


 ネタバレあり。
 ハルユキは前回のオーキッド・オラクル救出時に偶然出会った流れの鍛冶師のNPCに自分の剣を強化してもらったこともあり、彼がインティ戦でアタッカーを務めることになった。しかし剣士としての技量が足りないこともあって今度の作戦に不安があり、どこからか戦闘中に何度か語りかけてきたセントレア・セントリー(オメガ流合切剣の使い手、三代目クロム・ディザスター)に会おうと考える。極限に集中してハイエスト・レベルに近づいた時にセントレア・セントリーと交信可能になったのではないかと思って、集中して想像上の巨大な鋼鉄の玉をセントリーの教えに従って切ろうと試みた。そうするとハイエスト・レベルに行くことができ、そこでセントレア・セントリーと出会えた。
 ハルユキ(シルバー・クロウ)はセントレア・セントリーにインティ戦に向けてオメガ流の修行がつけてもらいたいと願い出る。しかしハイエスト・レベルでは切るべきものが存在しないため、オメガ流を伝えることはできないといわれる。そして修行をつけるためにセントレア・セントリーから一つの指示が出される。
 ハルユキは王を除いた幹部級の話し合いにスカイ・レイカーと一緒に参加した後、セントレア・セントリーの指示に従って現実世界のセントレア・セントリーに会いに行く。そこで現在は加速世界の記憶を失っているセントレア・セントリー(鈴川瀬利)と会い、ニューロリンカーの直結をしてもらう。そしてハルユキが加速してハイエスト・レベルに接続するだけの集中をすることでハイエスト・レベルのセントレア・セントリーと現在の鈴川瀬利をつなげることで意識を同期させて、鈴川瀬利はかつて失われた記憶とポイント喪失以後の亡霊的な存在だったセントレア・セントリーの記憶を得た。
 そんな記憶を取り戻したセントレア・セントリーは『ブレイン・バーストの最重要ルールである≪全損=強制アンインストール=永久追放≫を打ち破った存在なのだ。若宮恵/オーキッド・オラクルに続く、二人目の蘇生者。しかも瀬利は、白の王ホワイト・コスモスの力を借りずに、ほぼ独力で記憶を取り戻した。』(P122)あとがきを見ると、セントリーの復活法は『当人が言っていたとおり全ての退場者に適用できるものではない(というか実質セントリーしか使えない)ものなのですが、違う方法で蘇生したオーキッド・オラクルの例もありますし、今後どうなっちゃうのかいささか不安であります。』(P288、あとがき)とあるように彼女の復活方法は他の人にも当てはまるようなものではない特殊な復活ルートだったようだ。
 復活した後にインティ戦まで時間がないため、無制限中立ゾーンで長時間修行しなければならないから鈴川はハルユキの家に行き、そこから無制限中立ゾーンに行って修行つけてもらうことになった。
 そうして家に帰ると今回の作戦で大役を務めるハルユキを励ますための壮行会として、多くのレギオンのメンバーたちが揃って彼の帰りを待っていた。ハルユキが見知らぬ女性、鈴川瀬利を連れて帰ったので怪訝な表情をするメンバーにセントレア・セントリーを紹介。その名前を耳にした先輩たちのリアクションがいいね。偶然とはいえレギオンメンバーと鈴川瀬利が対面したのは結果的に後に一々説明したり顔合わせをしたりする手間が省けた。
 壮行会が終わって仮眠をとった後に修行開始。ハルユキ(シルバー・クロウ)はセントリーのプレイヤーホームで作戦開始時間ぎりぎりまで修行をしていた。
 作戦開始時間が近づき無制限中立フィールドの集合場所に作戦参加者が集ってくる。そんなところに、運悪く巨獣級を引っかけてきてしまった人がいた。その巨獣級は普通に倒すと爆発してしまうエネミーなので、その爆発を敵方に気づかれたら何かを仕掛ける時間を与えてしまうため、爆発させない特殊な倒し方をしようとする作戦参加者たち。そうしたところにちょうどシルバー・クロウが合流。その巨獣級退治で早速修業の成果を見せるという展開はいいね。
 そしてインティ戦が始まる。ハルユキはインティを一度撃破したものの、インティは第二形態となって蘇る。そのインティを操るオシラトリのレギオン・マスター、コスモスも作戦参加者の前に姿を現す。
 白の王はインティに命令し、インティを倒したと連絡を受けて無制限中立フィールドに戻ってきた王たちを攻撃させたといったところでこの巻終わる。そして、あとがきによると『17巻から続いてきた『白のレギオン編』はいよいよ次巻で終わる感じになってまいりました。』(P288)とのこと。