三銃士 下

三銃士 下 (角川文庫)

三銃士 下 (角川文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
ダルタニャンを逆恨みし、命をつけ狙う、妖女ミラディー。友人の危機に立ち上がる三銃士だが、敵は枢機卿と結託し、さらなる陰謀を企んでいた。フランスとイギリスをまたにかけた攻防戦の中、明らかになるミラディーの本性、ダルタニャンの切ない恋の行方は?4人の快男児が織りなす友情のクライマックス。


 三銃士が面白かったから、今まで長さに躊躇していた「モンテ・クリスト伯」を読み始めようかな。
 ミラディーパート長いなあ、どうもこの小説の中でもあまり好きじゃない部分だからなおさらそう感じるのかもしれないけど。純粋な人間を悪い奴が騙すというのを長々と書かれてもあまり気が乗らない(それでも読むのが辛いと感じさせない筆力はさすがだが)。それでも、騙されていく様をご都合主義に感じさせないのは流石だ。ウィンター卿(ミラディーの義兄)が、誤解と弁解しているのに寸毫たりとも心が動かされることなく、幽閉してしまおうという意思を貫徹しようとしたのはちょっと意外だったな。善い人っぽいから、もっと情で攻めたらほだされやすい人かと思っていたら。まあ、今まで身内として付き合ってきた人間が色々とうそで塗り固められたパーソナリティだとわかったらそう頑なになるのも無理ないが。

 ミラディーの最後のシーン。開き直らず最後まで同情引いてでもなんででも生き残ることを画策しているのは流石だ。枢機卿とダルタニャンの会話シーンもいいね、本編の締めくくりに相応しいまとめ。ラストの、三銃士とダルタニャンたちのその後はありがちだがこういう締めくくりは好きよ。