さよならの次にくる〈卒業式編〉

さよならの次にくる <卒業式編> (創元推理文庫)

さよならの次にくる <卒業式編> (創元推理文庫)

「東雅彦は嘘つきで女たらしです」愛心学園吹奏楽部の部室に貼られた怪文書。部員たちが中傷の犯人は誰だと騒ぐ中、オーボエ首席奏者の渡会千尋が「私がやりました」と名乗り出た。初恋の人の無実を証明すべく、葉山君が懸命に犯人捜しに取り組む「中村コンプレックス」など、〈卒業式編〉は四編を収録。デビュー作『理由あって冬に出る』に続くコミカルな学園ミステリ、前編。


さよならの次にくる<卒業式編>を最初に、あとがきか解説を先に読もうと思い後ろから開いたら、あとがきや解説がなくて<新学期編>に続くと書いてあったので、続編があるようなので楽しみ。
Googleストリートビューが第二話の中村コンプレックスで、写真の背景に写っている場所の絞り込むために使われていて、インターネットのそういうサービスが探偵活動に使われるのは珍しいと思った。
第3話の猫に与えるべからずは、そういうトリックを想定していなかったので落ちでびっくりした。
柳瀬さんの出番が少なかったので、〈新学期編〉では、柳瀬さんの出番をもっと増やしてほしい。
さよならの次にくる〈新学期編〉 は、8月28日に発売予定。
読み終わった後に、前作を再読。前作は、2007年10月初版だから前巻が発売されてからこの作品が出るまで2年弱も経ったのか。

伊神さんのご両親は普通の夫婦だった。よく考えてみれば当たり前のことである。僕は「伊神さんの両親」というともっと突飛で出鱈目な、引田天功×ハワード・ヒューズとか、織田信長×スカーレット・オハラとか、ダースベイダー×スーパーマリオとかそういった組み合わせを想像していたが、考えてみれば生物は突然変異によって進化してきたのである。(253p)