幽霊たち

幽霊たち (新潮文庫)

幽霊たち (新潮文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
私立探偵ブルーは奇妙な依頼を受けた。変装した男ホワイトから、ブラックを見張るように、と。真向いの部屋から、ブルーは見張り続ける。だが、ブラックの日常に何も変化もない。彼は、ただ毎日何かを書き、読んでいるだけなのだ。ブルーは空想の世界に彷徨う。ブラックの正体やホワイトの目的を推理して。次第に、不安と焦燥と疑惑に駆られるブルー…。’80年代アメリカ文学の代表的作品。

オースターは名前だけは知っていたけど、読んだことが無くどんな作家かも知らなかった。
なので、最初のページで、『まずはじめにブルーがいる。次にホワイトがいて、それからブラックがいて、そもそものはじまりの前にはブラウンがいる。』と書いてあって、名前が色で表されていることに驚いた。
訳者あとがきで、『事件の起こらない探偵小説であり、犯人のいない推理小説である。』とあったので、ブルーの職業が探偵って事以外は、あまりそんなことは感じなかったけど、そうも読めるのかと思った。
ほとんど最後まで何も起こらない小説なのに、面白く読むことができた。少しだけ読もうと思って本を開けたのに、120ページほどしかないとはいえ、結局2時間程度で読み終えてしまった。