竜馬がゆく 8


新装版 竜馬がゆく (8) (文春文庫)

新装版 竜馬がゆく (8) (文春文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
慶応三年十月十三日、京は二条城の大広間で、十五代将軍徳川慶喜は大政を奉還すると表明した。ここに幕府の三百年近い政権は幕を閉じた。―時勢はこの後、坂を転げるように維新にたどりつく。しかし竜馬はそれを見とどけることもなく、歴史の扉を未来へ押しあけたまま、流星のように…。巻末に「あとがき集」を収む。


全八冊、ようやく読み終えた。読みやすかったんだったんだけど、読み終えてから次の巻買ってということをしてたので、読了してから次の巻を読むまでの間が変に空いてしまったので、わりと読み始めてから長くかかってしまったなあ。序盤は正直微妙かな、と思ったが、勝海舟が登場して以降はグンと面白くなった。

中岡、薩長を説き、土佐藩の在京官の思想の統一を図りほぼ納得させるところまでいき、さらに岩倉の説得まで、を数日間でこなす、ってこの時期の行動はまさに八面六臂という言葉通りの活躍だ。
佐佐木、土佐の役人としては柔軟で胆力があるなあ。(というか、どうも幕末では志士だったりがメインでスポットが当たるから、どうしても役人全般については固陋という印象が強いなあ)
大政奉還案、それを幕府に出す前の事前の周旋のときに、芸州も賛同して、そして薩摩・土佐・芸州三班共同で拝謁して大政奉還を迫った。芸州、今までどこから入ってきたのか不思議な藩だったが、ここでかあ。
近藤が後藤象に会いたがったというエピソード、なんだか近藤が愛らしく見えると同時に哀愁を感じる。
錦の御旗、岩倉が在野の学者にデザインを考えさせたものだったのか、そのことを知って「トコトンヤレ節」で「ひらひらするのはなんじゃいな」という歌詞がある一因がわかった気がする(笑)
竜馬の死をさらっと書いているのはいい。人の死という陰鬱なシーンを長々とやられるのは個人的にはしんどいからなあ。