宇宙創成(上)

宇宙創成〈上〉 (新潮文庫)

宇宙創成〈上〉 (新潮文庫)

裏表紙の説明文

フェルマーの最終定理』『暗号解読』のサイモン・シン、王道の最高傑作。最大の謎に挑む天才たちのドラマ。

宇宙はいつ、どのように始まったのか? 人類永遠の謎とも言えるその問いには現在、ある解答が与えられている。ビッグバン・モデル。もはや「旧聞」の感さえあるこの概念には、実は古代から20世紀末の大発見へと到る意外なエピソードと人間ドラマが満ちていた――。有名無名の天才たちの挑戦と挫折、人類の夢と苦闘を描き出す傑作科学ノンフィクション。『ビッグバン宇宙論』改題。

目次
第I章 はじめに神は……
天地創造の巨人からギリシャの哲学者まで/円に円を重ねる/革命もしくは回転/天の城/望遠鏡による躍進/究極の問い
第I章のまとめ
第II章 宇宙の理論
アインシュタインの思考実験/重力の闘い ニュートンvsアインシュタイン/究極のパートナーシップ 理論と実験/アインシュタインの宇宙
第II章のまとめ
第III章 大論争
宇宙を見つめる/消えますよ、ホラ消えた。/天文学の巨人/運動する宇宙/ハッブルの法則
第III章のまとめ

S・シンさんの本を読むのは、これがはじめて。
古代ギリシャの宇宙観の話から始まったので、天文学の歴史書のような感じ。
僕は、科学とか数学が苦手なんだけど、読みやすくわかり易い。
下巻も楽しみ。

二十世紀最大の物理学者の一人であるマックス・ブランクはこう述べた。「重要な科学上の確信が、対立する陣営の意見を変えさせることで徐々に達成されるのは稀である。サウロがパウロになる(訳注キリスト教徒迫害者サウロは奇跡的回心を遂げ、使徒パウロになった)ようなことがそうそうあるわけではないのだ。現実に起こることは、対立する人々が次第に死に絶え、成長しつつある次の世代が初めから新しい考え方に習熟することである。」(117p)

天文学者カール・セーガンはこう書いた。「惑星も恒星も銀河も、典型的な存在ではありえない。なぜなら宇宙は、ほとんど何もない空間だからだ。典型的だといえる場所があるとすれば、それは果てしなく広がる冷たい真空の中の、永遠に終わらない夜の闇に沈む星間空間だけである。それはとりつく島のない荒涼たる世界だ。それにくらべれば、惑星や構成や銀河は、胸が締め付けられるほど稀有で愛すべき存在に思えるのである」(336p)