アクセル・ワールド 2

アクセル・ワールド〈2〉紅の暴風姫 (電撃文庫)

アクセル・ワールド〈2〉紅の暴風姫 (電撃文庫)

出版社ホームページの新刊情報から
第15回電撃小説大賞<大賞>受賞作、待望の続編登場!!
黒雪姫との出会いにより、一回り成長したハルユキ。そんな彼のもとに、「お兄ちゃん」と呼ぶ見ず知らずの小学生・トモコが現れる。二人のいちゃいちゃする様子を見た黒雪姫の冷徹な視線がハルユキを貫く中、≪加速世界≫では、謎の事件が勃発していた。
 乗っ取られると精神を汚染され、敵味方関係なくデュエルアバターを襲い続けるという呪いの強化外装≪災禍の鎧≫。殺戮を繰り返す狂気のアバターを捕らえることができるのは、唯一の≪飛行アビリティ≫をもつデュエルアバター、≪シルバー・クロウ≫のみ。≪鎧≫討伐ミッションを課されたハルユキの運命とは!?
 次世代青春エンタテイメント登場!!

2代目赤の王《スカーレット・レイン》に、装備すればレベル9をも上回る力を持つが人格が変わってしまうほどの精神汚染があり、《災禍の鎧》とも呼ばれる《クロム・ディザスター》を装備したチュリー・ルークの討伐をすることへの共闘を要請され、黒雪姫、ハルユキ、タクミのレギオン《ネガ・ネビュラス》はそれを承諾し《クロム・ディザスター》との戦いに《無制限中立フィールド》へと赴く。

ブレイン・バーストをしている人数が、1000人というのは、少ないと感じていて、それだけの人数なのに、なんでそう多く戦闘する機会があるのだろうと思っていたが、バーストリンカーのほとんどが東京にいることと、時間制限のない《無制限中立フィールド》の存在で納得した。

巻末でソードアート・オンラインの2巻は8月に発売予定、アクセル・ワールドの3巻は2009年初頭に発売予定だと書いていたから楽しみ。
だけど、発刊ペース速いな、うれしいけど。

 事ここに到って、ハルユキはようやくこれは幻覚に非ずと判断した。
 空想的、あるいは妄想的状況なれど女の子の存在がリアルすぎる。ということは――ニューロリンカーに仕掛けられた悪意あるプログラムに違いない。超高精細な3Dモデルをハルユキの資格に重ね、音声および嗅覚にも議事情報を注入しているのだ。誰が何のためにそんなまねをしたのかは不明だが――
 だって、《妹》なんか実在するわけないもん。(22p)

――あの人は、黒雪姫は、決して完全無欠の超人じゃない。僕と同じ中学生の、傷つきやすい一人の女の子なんだ。
 そのことをハルユキは、己の心無い言葉に涙する黒雪姫を見たときから、決して忘れたことはない。しかしそれでもなお、ハルユキのなかの憧れと崇拝はわずかにも損なわれていなかった。
 強さに対してではない。
 強くあろうとする意思そのものに。ありとあらゆる逆境に抗おうとする魂の輝きに、ハルユキは絶対的に惹かれた。(241-242p)