偽物語(下)

偽物語(下) (講談社BOX)

偽物語(下) (講談社BOX)

内容紹介

                                                                                                                          • -

「200パーセント趣味で書かれた小説です。」――西尾維新

“ファイヤーシスターズ”の参謀担当、阿良々木月火。暦の妹である彼女がその身に取り込んだ、吸血鬼をも凌駕する聖域の怪異とは!?

VOFANの“光の魔術”は鮮やかに花開き、西尾維新が今、<物語>を根底から覆えす――

これぞ現代の怪異!怪異!怪異!
青春は、にせものだけでは終わらない。

いつもどおり面白かった。
月火が表紙と話の題になっているけど、月火がメインという感じではなく、どちらかというと、火燐と忍がメインっぽい話。
忍が好きなので、出番が多くてうれしい。

「今まで秘密にしておったが、わしはこれまで五百年生きてきた中、実は何度か人類を滅ぼそうかと思ったことがあるのじゃよ。が、しかしお前様、今ここではっきりと声を出して誓おう。ミスタードーナッツの存続する限りにおいて、わしは人類を滅ぼさん。」(284p)

忍は、単なる嗜好品のひとつかと思っていたんだけど、ミスタードーナッツが本当に好きだな。
阿良々木君は、妹の胸触ったり、キスしたりと、ずいぶん鬼畜な変態キャラにいつのまにかなってしまいましたね。
個人的には、前巻の敵役の貝木は嫌いだったけど、今巻の敵役の人はそんなにいやな人ではないので出番のときにイラっとすることがなかった。

 今の今まで、僕は理想の女子って言うのは羽川翼のことだと思っていたけど、それはひょっとして認識ミスだったのか?
 羽川以上ってことはないにしても、それでもこいつは羽川といい勝負ができるんじゃ……いやいやいや!
 待て自分!
 阿良々木暦
 何を言ってるんだ!
 羽川と勝負できる人類なんかいるわけねえだろ!(75p)

名前すら出てこない戦場ヶ原さんがかわいそうです。

「あ、そういえば、こないだアニメ版の阿良々木さんのデザインを見ました」(中略)
「こう、なんかね。昔の千石さんじゃありませんけど、髪の毛で左目とか隠しちゃって、ニヒルな感じでした」
「ニヒル?ああ、そういえば僕、初期はそんなキャラ設定だったな……」
クールな皮肉屋だったはずだ。
今では見る影もないっつ−か
あっという間にそのキャラは捨ててしまった気がするけど。(132p)