須賀敦子全集(4)

須賀敦子全集〈第4巻〉 (河出文庫)

須賀敦子全集〈第4巻〉 (河出文庫)

本についての本は、好きなので楽しく読むことができた。
遠い朝はほとんどが留学前や幼少期に読んだ本とそのエピソード。
この巻のエッセイはここの部分のみ。
本に読まれて、書評・映画評ほか
書評について感想を書くのは僕はできないので割愛。
読みたいと思った本
一期一会・さくらの花
一期一会・さくらの花 (講談社文芸文庫)

一期一会・さくらの花 (講談社文芸文庫)

何かと生きることに不器用な独り者の姉が、裕福な地方の家に嫁いだ腹違いの妹ががんにかかって死ぬまでの日々をこまごまと綴った網野菊の「さくらの花」が、この夏、ほかの作品と一緒に文庫で出版され、それを快挙と祝福した記事を新聞で読んだ。(382p)

寂しい声 西脇順三郎の生涯

寂しい声―西脇順三郎の生涯

寂しい声―西脇順三郎の生涯

詩にはあまり興味はないんだけど

オックスフォードに留学中、今世紀最大の詩人の一人T・Sエリオットと同じ詩誌に英語の詩を発表している(394p)

というエピソードで読みたくなった。

ハザール事典

ハザール事典―夢の狩人たちの物語 男性版

ハザール事典―夢の狩人たちの物語 男性版

それを読むと一種の化学変化のようなものが自分の中で起きてしまい、少なくとも何時間か、あるいは何日か、いや、もしかしたらそのずっと後まで、ものの見方や考え方にかすかなずれやひずみが生じるといった本がある。『ハザール事典』もそれに似た毒を秘めていて、小説好きの読者を存分に酔わせてくれる。(244 p)

前から読みたいと思っているんだけど、重版がなくて、今は古本でしか買えないからどうしようか悩んでる。
ジェイムズ・ジョイス伝(全2巻)

ジェイムズ・ジョイス伝〈1〉

ジェイムズ・ジョイス伝〈1〉

人生の細部・時間それぞれにふさわしい文体をそぐわせたジョイスへの、この上ない入門書として必読書として、また、一人の天才的小説家の伝記としても味わい深く読める。(553p)



本を読んで、というのではなくて、私達は、子供の頃から、実にいろいろな方法で、ほんの外で覚えた物語を自分の中にためている。(58 p)

何冊かの本が、ひとりの女の子の、少し大げさに言えば人生の選択を左右することがある。その子は、しかし、そんなことには気づかないで、ただ、吸い込まれるように本を読んでいる。自分を取り囲む現実に自信がない分だけ、彼女は本にのめりこむ。その子の中には、ほんの世界が夏空の雲のように行くそうにも重なって湧き上がり、その子自身がほとんど本になってしまう。(83p)