失踪HOLIDAY

失踪HOLIDAY (角川スニーカー文庫)

失踪HOLIDAY (角川スニーカー文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
14歳の冬休み、わたしはいなくなった―。大金持ちのひとり娘ナオはママハハとの大喧嘩のすえ、衝動的に家出!その失踪先は…となりの建物!!こっそりと家族の大騒ぎを監視していたナオだったが、事態は思わぬ方向に転がって…!?心からやすらげる場所を求める果敢で無敵な女の子の物語。その他うまく生きられない「僕」とやさしい幽霊の切ない一瞬、「しあわせは子猫のかたち」を収録。きみが抱える痛みに、そっと触れます。

もしもぼくが、彼女と並んで同じ景色を見ても、瞳の捉えるものはまったく別のものだろう。雪村の健全な魂は世界の明るい部分を選択し、綿菓子のように白くてやわらかい幸福なフィルターで視界を包み込んでしまう。ぼくの心では、そうはいかない。光に弾き出された影の方ばかり見えてくる。世界が冷たく、グロテスクなものに感じられる。世の中、うまくいかない。ぼくのような奴ではなく、彼女のような人が死ぬ。

幸せは子猫の形
幽霊の雪村の恐怖の書き置きのくだりを読んで、雪村のキャラクターが好きになって、それから先はとても楽しく読めた。

失踪HOLIDAY

おなかが痛いという理由で出社することを拒否し、家の中で体育座りをしてテレビを眺めるばかりだった。

この場面を想像したら、とてもシュールで笑えた。
失踪HOLIDAYは、狂言誘拐という設定があまり好きになれずに、読むのが遅くなった。けど、最後の反転するような真相に驚いた。

両方の作品とも落ちはミステリ風味な感じ。