少し変わった子あります

少し変わった子あります (文春文庫)

少し変わった子あります (文春文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
失踪した後輩が通っていたお店は、毎回訪れるたびに場所がかわり、違った女性が相伴してくれる、いっぷう変わったレストラン。都会の片隅で心地よい孤独に浸りながら、そこで出会った“少し変わった子”に私は惹かれていくのだが…。人気ミステリィ作家・森博嗣がおくる甘美な幻想。著者の新境地をひらいた一冊。


森博嗣の非ミステリ作品ということで、どきどきフェノメノンのような感じを期待したのだけれど、だいぶ違った感じジャンルがよくわからない。連作短編集。
全部の短編似たような感じの動きがほとんどない小説だったので、少し長いように感じた。
解説で、注文の多い料理店の話を思い出したと書いてあって。
それで落ちが理解できて、少し怖い感じの落ちだと思った。

芸術が成立する条件とは、第一に、それが人間がなしたものであること。第二に、無駄な消費であること。(83p)

人はいろいろなりそう、あるいは幻想を抱いて、日々を生きている。どんな小さな行動、無意識になされるしぐさにも、何らかの理由があって、外部から伝達されたものが、その人の中で消化され、現れているものだと考えているんだ。(213-214p)