一瞬の風になれ 第二部 -ヨウイ-

一瞬の風になれ 第二部 -ヨウイ- (講談社文庫)

一瞬の風になれ 第二部 -ヨウイ- (講談社文庫)

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冬のオフシーズンを経て、高校2年生に進級した新二。冬場のフォーム作りが実を結び、スピードは着実に伸びている。天才肌の連も、合宿所から逃げ出した1年目と違い、徐々にたくましくなってきた。新入部員も加わり、新たな布陣で、地区、県、南関東大会へと続く総体予選に挑むことになる。
新二や連の専門は、100mや200mのようなショートスプリント。中でも、2人がやりがいを感じているのが4継(400mリレー)だ。部長の守屋を中心に、南関東を目指してバトンワークの練習に取り組む新二たち。部の新記録を打ち立てつつ予選に臨むのだが、そこで思わぬアクシデントが……。

第2部に当たる本書では、人と人の繋がりに重点が置かれている。新二と連の友情、先輩・後輩の信頼関係、新二と谷口若菜の恋愛模様。第1部で個々の人物を丹念に描き、読者に感情移入をうながしているだけに、皆の気持ちが1つになっていく姿は強く胸を打つ。
特に、一人ひとりがバトンをつなげていく4継の描き方が素晴らしい。自分勝手と思えるほどマイペースな連が見せる、4継への、仲間で闘うことへの執着、意気込み。連のまっすぐな言葉に新二たちがはっとする時、その言葉は読み手の心にもストレートに届くのだ。
本書は、起承転結でいうところの、承句と転句。さまざまな事件、障害、葛藤を経て、スピードに乗った物語は、第3部のフィナーレへとなだれ込む。(小尾慶一)

出版社/著者からの内容紹介
何かに夢中にだった、すべての人へ贈る青春小説
「最高だ」
直線をかっとんでいく感覚。このスピードの爽快感。身体が飛ぶんだ……。
少しずつ陸上経験値を上げる新二と連。才能の残酷さ、勝負の厳しさに出会いながらも強烈に感じる、走ることの楽しさ。意味なんかない。でも走ることが、単純に、尊いのだ。
「そういうレースがあるよね。きっと誰にも。一生に一回……みたいな」
今年いちばんの陸上青春小説、第2巻!

冬〜2年
主人公の新二が明るいので、読んでいて楽しい。
スポーツ小説は次の大会まで半年とか一年だけとかの事が多いので時間の流れが多くて珍しい。
桃内とか後輩のキャラクターも埋没していないので、読んでいて面白い。
第五章は、物語的にはタメの部分だけど、そのほかの部分がすごくテンポが速かったのですこし停滞感がある。