迷宮街クロニクル3 夜明け前に闇深く

迷宮街クロニクル3 夜明け前に闇深く (GA文庫)

迷宮街クロニクル3 夜明け前に闇深く (GA文庫)

内容紹介
それは迷宮内部の写真から起こした商品スケッチだった。探索者なら一度は目にしたことがある、第一層濃霧地帯の奥にある縦穴のものだ。
その図には後藤が売りたい商品が描かれていた。天井に滑車が据え付けられ、鎖が吊るすのはゴンドラだ。
後藤のアイディアは画期的なものだった。リスクを減らし第四層まで一瞬で移動できる。迷宮内部でのみ産出される不思議な石が金属の強度を高めることも判明し、探索の効率は向上するように思われたが……。
生まれる希望と、同じだけの絶望。迷宮街での生活は、ゆっくり何かを蝕み、静かに壊してゆく。
好評の書き下ろし短編も収録した群像劇、第三弾。

「失礼なことを言ってしまいましたね。そのお詫びといってはなんですが、戦士の試験は特例でパスにしてあげます」
 そういって斜め後ろの事務員を振り返った。
「君、四十二番は不合格で」(P100)

このシリーズ恋愛要素がかなり多いことに、この巻を読んでいてようやく気がついた。
地下の迷宮を誰かが意図して作ったのだとして、それが真相だとしたら、遠州って人しか可能性として考えられるような人がいないよね。
巻末の短編、『宿題』は最初のテストの時の真壁の行動が書かれていて、気になっていたので、書かれていて嬉しい。3巻完結予定が4巻完結ということになってしまったようだけど、それのおかげで、このエピソードを読めたのだとしたら、それに感謝。
次の巻が最終巻になるようなので、この物語の着地点がどうなるのかわからないので楽しみにして待ちます。