果てしなき逃走
- 作者: ヨーゼフロート,Joseph Roth,平田達治
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1993/09/16
- メディア: 文庫
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わが友トゥンダは三十二歳で、元気溌剌とし、いろんな才能を持った、若くてたくましい男として、マドレーヌ寺院前の広場に、世界の首都の真ん中に立ち、これからどうしたらよいか途方に暮れていた。彼には職も、愛も、欲望も、希望も、名誉欲も、エゴイズムさえもなかった。
彼ほど余計な人間はこの世にいなかった。(P212)
ヨーゼフ・ロート、読むのは初めて。聖なる酔っぱらいの伝説を読もうと思っていたんだけど、amazonで品切れだったので、代わりに購入。
ある程度登場人物から距離をとって書かれているせいか、あまり暗く感じることがなく読みやすかった。