心は孤独な数学者

心は孤独な数学者 (新潮文庫)

心は孤独な数学者 (新潮文庫)

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名著『遙かなるケンブリッジ』は、藤原正彦の感性と古武士然とした立ち居振る舞いとを明晰な文章で伝えるものだった。この数学者はどこにいても常に日本人としての誇りを失わず、それでいて盲目的な愛国者にならないだけの冷めた目を併せ持つ稀有な人である。その著者が天才数学者3人、ニュートン、ハミルトン、そしてインドの神童ラマヌジャンの生き方をたどりつつ、彼らの苦悩に満ちた日々を愛情豊かな、それでいて決して一面的にならない冷静な筆致で跡づけて見せた。形の上では3人の評伝となっているのだが、それは単に彼らの生涯と業績を描いたというものではない。著者はそれぞれの人物が生きた場所を訪れ、彼らの在りし日をしのびつつ、同時にその天才としての業績、あるいはその性格的欠陥、懊悩(おうのう)の姿を見事に読者の前に示して見せた。特にインドが生んだ天才ラマヌジャンの苦闘を描いた章は、本書の中でも最も長く、そして最も波乱に富んだ軌跡を詳細に描き出したもので、数学のもつ芸術性、美学をこれほど豊かに示す例はほとんどほかに見出せないものでありながら、それ故この天才の不遇に思わず天を仰ぐしかないのである。本書は単に天才とは何か、天才を生み出すものは何だったのかを示すにとどまらず、たぐいまれな人物伝として高い評価を与えるべきものだろう。(小林章夫

藤原さんの著作を読むのはこの本で初めて。ラマヌジャン、すごい数学者だということしか知らなかったので、どういう人物かというのが気になったので、ラマヌジャンのエピソードが載っているということでこの本を購入した。
偉大な三人の数学者の生地に赴いて描いたエッセイと伝記が交互に書かれていて、評伝紀行というものらしいけど、こういった形式の本を読むのは初めてだけど読みやすくて良かった。エッセイとか読むようになって一年位しか経ってないのと伝記はあまり読まないので、読んだことない形式のものがあってもしょうがないかもしれないけど。