鏡の中は日曜日

鏡の中は日曜日 (講談社文庫)

鏡の中は日曜日 (講談社文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
梵貝荘と呼ばれる法螺貝様の異形の館。マラルメを研究する館の主・瑞門龍司郎が主催する「火曜会」の夜、奇妙な殺人事件が発生する。事件は、名探偵の活躍により解決するが、年を経た後、再調査が現代の名探偵・石動戯作に持ち込まれる。時間を超え交錯する謎。まさに完璧な本格ミステリ。続編「樒/榁」を同時収録。

国内の作家さんのミステリを読むのは久々。第二章の過去パートは架空の小説(という言い方は過去パートとして小説として書かれているから表現として変かもしれないけど)、田島、時間の経過によってか、過去パートが彼の視点から描かれているからなのか、現在が石動視点だからか、創作だからか知らないけど、現在の田島とは大分印象が違う。過去パート単体で見ると、特にすごく魅力のあるというわけではないので、何故石動がこの作者のファンなのかよくわからない、ぶつ切りで読んでいたからかも知らんけど。ミスリードに引っかかりまくっていた。
『樒』、鏡の中は日曜日の過去パートの探偵、水城の物語。その記述者でミステリ作家の鮎井が書いた小説という体の作品。
『榁』、樒の事件と同じ舞台の、石動の話。明るく軽いミステリ、単体では好きなタイプの作品だけど、鏡の中は日曜日、樒と来て、終わりを締めくくる作品としてはちょっと不満。