ゴンチャローフ日本渡航記

ゴンチャローフ日本渡航記 (講談社学術文庫)

ゴンチャローフ日本渡航記 (講談社学術文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
一八五三年八月、通商を求めるプチャーチン提督の秘書官として長崎に来航したゴンチャローフ。通詞を介しての奉行とのやりとり、さらに幕府全権・筒井政憲川路聖謨らとの交渉が進められてゆく。傑作『オブローモフ』作者の目に、日本の風景、文化、庶民や役人の姿はどう映ったのか。鋭い観察眼と洞察力にユーモアを交え、芸術的に描かれる幕末模様。

ゴンチャロフさんの本、『平凡物語』はまだ下巻は読み終えていないのでそちらを読み終えてからこっちを読もうと思っていたけれど、こっちの方が速く読み終えることができそうだったのと『風雲児たち 幕末編』を読んでその時のことが少しわかってきたので興味がでてきたので『ゴンチャローフ日本渡航記』の方から読了。
小馬鹿にしている感じの上から目線はちょっと不快ではあるけど、笑ってしまうようなところも結構あって面白かったので第二章以降は最後まで一日で読んだ。

『萩原はいかにも驚いた素振りを見せて、書面に目を通すと三郎助に渡した。三郎助も一読して次のものに渡し、こうして書面は吉兵衛のところまで回ってきた。彼らは感嘆の叫びを漏らし始めた。吉兵衛は最初の一語で、危うくむせぶところであった。「書翰が……書翰が……江戸からerhalten――到着致した!」
 私はこらえきれなくなって彼らから顔を背け、思わずこみ上げてくる笑いをかろうじておさえた。茶番だ!何というずるさだろう!(229P)』ここなんかは特に笑えた。