レイン外伝―仄暗き廃坑の底で

レイン外伝―仄暗き廃坑の底で (アルファポリス文庫)

レイン外伝―仄暗き廃坑の底で (アルファポリス文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
異世界に存在する大陸、ミュールゲニア。かつて魔法石の鉱山だったそこは、いまや魔獣の巣窟と化していた―掃討作戦に繰り出したレインと彼の副官、セノア、レニ。彼らが廃坑で目にしたものは、まさに信じ難い光景で…。―剣と魔法の最強戦士ファンタジー「レイン」シリーズ第5弾は、シリーズ初の外伝2本立て。
(単行本版の方の引用)

中編2作
『「わしは、屈強な王都の警備隊が、大勢来てくれると思うとったんじゃ。まさか若造が三人ぽっちしか来んとは思わんかったですじゃ。それっぽっちじゃ、わざわざ死にに行くようなもの……年長者として、止めるのは当然じゃ!」
 頑固者の老人に相応しく、村長は実にはっきりと言い切った。』村長、頑固者と形容されているけど、いちいち気づかっていて、いい人だなあ。
『 すっかり笑みを消し、レイグルをまっすぐに見る。
「なにか勘違いしてないか、おい。俺が戦っているのは、なにも世界平和のためじゃない。そんな力が自分にあると自惚れたことはないし、そもそも人間がいる限り、恒久的な平和など有り得んと思うぞ」
「その意見に賛成する気はないが、ならば問おう。おまえは一体、なんのために戦っているんだ」』レイグル、理想主義者だね。そして、自分ができると思っているのが、なんか戦う理由、世界をどうこうしようと本気で考えているなんて、阿呆らしく感じる。と思っていたら偽者かい。まあ、でもその考えはもう一つの中編ででてくる『強者の傲慢』という言葉そのものだな
『ヴァンパイア・マスター』レイン、過去篇。吸血鬼、シルヴィアとの戦いで力の差がかなりあるのに勝っちゃうデタラメさは、さすがレインって感じだ。