聖書VS.世界史

聖書VS.世界史 (講談社現代新書)

聖書VS.世界史 (講談社現代新書)

内容説明
西欧は聖書の描く人類史とどう格闘したか。聖書では人間の歴史はアダム以後6千年で終末を迎える。ではエジプトや中国の古い歴史は何なのか、ニュ-トンの時間概念はどうなるか。西欧の世界観は揺れ続けた
内容(「BOOK」データベースより)
天地創造から6000年で人類は終末を迎えると聖書はいう。では、アダムとエヴァより古いエジプトや中国の歴史はどうなるのか。聖書と現実の整合性を求めて揺れ続けた西欧知識人の系譜。

思っていたよりも読みやすかった。
聖書の記述に基づく世界史、普遍史普遍史は「古代的普遍史」からその本構造を受ける儀、更に理論的に拡張された「中世的普遍史」へと変わり、普遍史という枠組みが成立してから、エジプト史、中国史の古さに悩まされ、やがて啓蒙主義者によって決定的に崩壊するまでの歴史。『つまり、聖書は、文明の一元的発生論の立場に立っているわけである』(P19)そういう考え嫌いだけど、聖書からだったのか。
18世紀になるまで『現実には、中国史を説明するために聖書が解釈し直されている。さらに、本来聖書によって説明されるべきであるはずだった中国史が、議論が進むに連れてその地位を逆転し、むしろヘブライ語聖書と七十人訳聖書のどちらが正しいかといった議論の根拠にすらなっていく』(P156)というような状態になってまで普遍史に執着していたというのは、理解しにくいな。