影執事マルクの迷走

影執事マルクの迷走 (富士見ファンタジア文庫)

影執事マルクの迷走 (富士見ファンタジア文庫)

内容紹介
依然として不安定なエルミナの心は、<精杯の姫>のために用意された世界を彷徨いはじめる。賑やかになる屋敷、秘密と願い、そのはじまりへ。巻き戻される愛しい時間の中で、エルミナはある「場所」へと辿り着く--
内容(「BOOK」データベースより)
「…まだ、使っていたのだね」「え、それはそうですよ、エルミナからいただいたものなのですから」マルクが差し出した銀時計にエルミナが触れた瞬間。エルミナは、“在るはずのない景色”―瑞々しい野原の中の、まだ蜃気楼ではないヴァレンシュタイン家の庭―に、一人佇んでいた。「…揺り籠に、囚われたというのか」それは、“アルス・マグナ”が見せる“精杯の姫”のための世界。あるいは、“精杯の姫”が“アルス・マグナ”のために見る夢か。奇妙な時の狭間に落ちたエルミナが辿る、忠実な執事たちとの愛しき日々の欠片たち。この追憶は、エルミナを何処へ誘うのか…。

短編集。
エルミナのグリセリンの結晶化についての講釈、創作した話としては具体的だから気になってwikiみたら都市伝説か。
『どうやら切れということらしい。マルクは銀食器のナイフを取り出し、布切れを切断。』(P81)、戦闘に関係ないときに屋敷外で銀食器のナイフがでてくると、なんかシュール。それようの武器買えよ、と思ったけど金がないのか。あと、そんなに困っているなら襲撃してきた連中から奪った武器はなんで売らないの?
『第三章 灰とともに散りぬ』で有り金全て失う。こうして金銭を自分の事情でなく不幸な出来事で次々と失っているから、不憫という印象がものすごく強い。