バガージマヌパナス わが島のはなし

バガージマヌパナス わが島のはなし (角川文庫)

バガージマヌパナス わが島のはなし (角川文庫)

発売した内容(「BOOK」データベースより)
19歳の綾乃は島での楽園生活を満喫し、大親友のオバァ、オージャーガンマーと遊び暮らす日日。しかしある日夢の中に神様が現れ、ユタ(巫女)になれと命じる。「あーっワジワジーッ」徹底抗戦の構えの綾乃だったが、怒った神様の罰もあり、やがてユタへの道を歩むことに…。溢れる方言と三線の音、抜けるような空に映える極彩色、豊かな伝承と横溢する感情。沖縄が生んだ不世出の才能の記念碑的デビュー作。

つきに買っていたから読み始めるのに一年以上もたってしまっていたか、それに池上さんの小説を読んだの久しぶりって気がしたけど、前に読んだ「ぼくのキャノン」が2009年の2月だからのもう2年も前か。最近読んだ「NECK」の舞城さんの小説もその前に読んだのが2008年の12月と、最近あまり本を読めていないので新刊以外はなかなか手を出せないのでいるので、読みやすいと思っているのに長く読めていない作家さんがいるなあ。
解説を見て、これが池上さんのデビュー作と知る。
『万引きに恐喝、暴行、強盗、詐欺、器物損壊だぁ?悪事のオンパレードじゃないか。やってないのは誘拐と殺人だけじゃないのか、お前』(P182)綾乃、神様がユタになるのを勧誘していて自分でも疑問に思うほどの悪行三昧だねえ、それでいて当人は特に良心の呵責もないというのが図太い、あまりいないタイプの主人公だねえ。『神様は生前服役した経験があるのか、やたらと刑務所に詳しい様子で拳を振るい、顔を高潮させて演説を続けている。』(P184)神様も神様で意味の分からないところに詳しいけどね。
最後はちょっと好みでないが、最後まであの明るさと楽観的な感じで終わって欲しかったなあ。