恋文の技術

([も]3-1)恋文の技術 (ポプラ文庫)

([も]3-1)恋文の技術 (ポプラ文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
京都の大学院から、遠く離れた実験所に飛ばされた男が一人。無聊を慰めるべく、文通修業と称して京都に住むかつての仲間たちに手紙を書きまくる。文中で友人の恋の相談に乗り、妹に説教を垂れるが、本当に想いを届けたい相手への手紙は、いつまでも書けずにいるのだった。

森見さんの小説は文庫化したら必ず買っているけど、チェックし忘れていて発売されていることを気がつかず危うく買い忘れるところだった。
書簡体小説。変わった形式になっていても期待通りの森見さんテイスト。手紙の往復ではなく、守田一郎の分の手紙しか見えないのに、対話しているって感じがするのが面白い。色々な人への書簡がのっていて、描いていることが小さく異なっていたり、同じ出来事にも色々とスポットが当たっていて面白かった。
『あと、いくらたのしくても、おばあちゃんのあたまにダルマをのせるのはときどきにしましょう』(P74)時々なら許可しちゃうのかよ、と思わず笑った。
あとがきでフェルマーの最終定理ネタをやっているのにも笑った。