日本の歴史 9 南北朝の動乱

日本の歴史〈9〉南北朝の動乱 (中公文庫)

日本の歴史〈9〉南北朝の動乱 (中公文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
宿願の幕府打倒に成功した後醍醐天皇は、旧慣を無視して建武の新政を開始した。しかしそれは、もろくも三年にしてついえ、あとに南北朝対立、天下三分、守護の幕府への反抗の時代がおとずれる。この七十年にわたる全国的動乱の根元は何か。

佐藤進一さん、有名な中世の歴史家だが今回始めて読了。歴史の本でこんなに厚いとなかなか読む気が起こらず、読み始めてから数ヶ月(いつ読み始めたかも思い出せないくらい)でようやく読了。
『この鋳貨政策には、後醍醐のたんなる観念的な主張から割り出されたものとは言い切れない現実的な側面があったらしい。というのは、平安後期から除々に進んでいた貨幣経済は一三世紀にはいってから急速に発展した。』(P67)貨幣の鋳造計画、現実的な側面も。
 尊氏に与えられた北条氏の旧領で反乱が発生したり、高時の遺児、後醍醐側について尊氏と戦うことなど、北条氏やその遺臣が反足利ということで南朝の根強い根拠地になったというのは面白い。
建武式目、『この種の答申形式のものが、そのままの形で法律として発布した例も鎌倉時代にある。内容的にも、法律といって、さしつかえないだろう』(P168)鎌倉時代にも例あり。
南北朝という言葉から、2つの勢力の対立というイメージが強くて、天下三分の時期の印象薄かったけど、実に面白そう、そのあたりについての本読んでみたいな。
預置方式、『戦国大名や織田・豊臣政権、江戸幕府が代官を置いて治めさせた制度は、室町幕府のこの預置制度から由来したものであろう』(P447)
うーん、眠くて感想が雑に……。