工学部・水柿助教授の解脱

内容(「BOOK」データベースより)
本シリーズの特徴は話題の些末さ、否、多方面性のため、なかなか進まず、本題が何か忘却、否、もともと本題などない、というまさに人間の思考、会話、関係を象徴する点にあったのだが、前作で人気作家となりし水柿君なんとあっさり断筆、作家業を引退宣言。限りなく実話に近いらしいM(水柿)&S(須摩子)シリーズ、絶好調のまましみじみ完結。

シリーズ最終巻。思ったより文庫化早かったな、というか発売するのを見落としていて、本屋でみてはじめて発売されていることに気がついた。
小説家になってからの話だから、もはや題名とは関係のない話だねえ。ということを感想をかこうと思ってから感じた。
解説、『「読んでいるうちにだんだん腹が立ってくる小説というものが書けないものか」という企み』(P353)本文中にあったのはこのシリーズを指しているのか!と納得。腹は立たないが、なんとなく言われればそうかな、という感じの小説だなあ。というかこの小説の感想は、金持ちになっても夫婦ともどもよく、そう浮き足だった感じがなく暮らせるなんてすごいなあ、ということくらいだよ。
森博嗣さんのエッセイは今まで読んだことないから、これから徐々に読んでいこうかなあ。