破軍の星

破軍の星 (集英社文庫)

破軍の星 (集英社文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
建武の新政後醍醐天皇により十六歳の若さで陸奥守に任じられた北畠顕家は奥州に下向、政治機構を整え、住民を掌握し、見事な成果をあげた。また、足利尊氏の反逆に際し、東海道を進撃、尊氏を敗走させる。しかし、勢力を回復した足利方の豪族に叛かれ苦境に立ち、さらに吉野へ逃れた後醍醐帝の命で、尊氏追討の軍を再び起こすが…。一瞬の閃光のように輝いた若き貴公子の短い、力強い生涯。柴田錬三郎賞受賞作。


北方さんの南北朝小説、2冊目。前作よりも扱っている時代が古いからか、やろうとしていること(というか託そうとしている人の「夢」)は同じような感じだけど、まだ、南朝と足利が何とか張り合えているくらいの力関係の時代だから結局「夢」を共に実現していこうという関係にはならなかった。だから、北畠顕家にこの人が一族の夢を託そう・懸けようとしている安家利通が哀れだ。
しかし、顕家すごい強いな。教科書とかでは親房の説明でちょいとふれられる位なのに。
しかし、一回負けるとそのまま死亡までいってしまうのは粘りが無さ過ぎるという気がするが。その点については、新田の負けても負けてもなかなか死なずに何万という軍を作り直す粘り強さは本当にすごいが。
「武王の門」もコレも似た感じの小説で、これ以上連続して読むのは飽きちゃいそうだから、北方さんの南北朝小説を読むのはとりあえず休止しとくか。といいつつ案外早く読むかもしれないが。