大名屋敷の謎

大名屋敷の謎 (集英社新書)

大名屋敷の謎 (集英社新書)


内容(「BOOK」データベースより)
小説・落語・映画・テレビ・芝居等でも舞台になることが多い大名屋敷。しかし、よく知られているようで、その実態を理解している人は少ない。本書は、その住民(勤番武士)の体験談・見聞記、出入りする商人の残した史料などをもとに、大名屋敷の幕末から明治期に至るまでの実像をわかりやすく紹介する。また、リサイクルの観点から話題になる「肥」の活用などについては、今に残る豪農・中村家文書を丁寧に分析し、江戸を支えた「肥」経済の実態を実証的に解明する。同時に、中村家や出入りした商人たちの幕末・明治興亡史としても楽しめる。

こうした、御用商人(農民の御用商人も!)など今まで知らなかった(気にしてなかった)マイナーなところを。読みやすく紹介してくれるのはいい!
登城行列、登城の頻度がどのくらいあるのかは知らないけど、毎回何十人ものお供を連れて登城するのは大変、というか大げさだ。在府『二百近くの大名行列となると、江戸城への登城人数はラッシュ時には一万人を超したはずだ』(P39)すごい人数。
アロー戦争時、外国人商人の馬の購入。なんか今まで買ったはいいけど、中国につくまでにほとんど死んだというエピソードは覚えていたけど、そんなに気にしてなかったが、『戦争となれば、膨大な軍需が生まれる。その一端がここにも表れている。英仏両国の中国大陸での戦いを、日本は実質的に支えていたわけだ。すでに日本は中国大陸をめぐる国際紛争に深く巻き込まれていたのである。』(P139)そうした影響については、今まで考えたこと無かったので、ちょっと目からうろこ。
尾張藩の農民の御用聞、中村家について本の半分くらいが割かれていて、今まで気にしてなかったことなので、新鮮で面白かった。