江戸の旗本事典

江戸の旗本事典 (講談社文庫)

江戸の旗本事典 (講談社文庫)

出版社/著者からの内容紹介
三田村鳶魚の最後の弟子が説く、「旗本八万騎」の真の姿!

貧乏?それとも退屈?

徳川家直参という言葉の意味するものは何か。
家督相続のしかた、昇進、給与、家計、江戸城中の作法……。知っているようで知らないことばかり。
江戸学の在野の巨人、三田村鳶魚の薫陶をうけた「最後の弟子」が説く「旗本八万騎」のホントの姿。
歴史・時代小説ファンの手許には必ず置きたい文庫書き下ろし。

上級者向けかも。少なくとも、あんまり時代小説やらを読んでいない、僕みたいなのが読んでも難しくてよくわからん。
勝海舟の家は御家人で半句、旗本!
『家禄実収百票以下の旗本は、『寛政譜』に三百四十四家もあるのです。』(P41)
旗本になっても、「永々御目見以上」の追加認定がないと子孫が再び御家人に戻ることもあり、そのため御家人から旗本に昇進した何割かは旗本に残れなかった。
実際に死んでから死亡届出すまでに間が、家計が苦しいため、家禄を二重取りするため。だそうだが、二重取りするのはわかるが、どういう理屈で二重に取れるのかがいまいち分からん。
行政知識を持った、渡り者の旗本の家臣。そういう人について扱った本を読みたいと思っていたんだが、タイトル忘れた、なんだっけなあ?
四代目の頃まで幕府は人員不足だった、というのははじめて知った。
山岡鉄舟明治元年四月まで部屋住みだった、意外すぎるわ。
『与力千両、御徒五百両、同心二百両』(P206)という俗語も、収入を金利としてみると6〜8%と考えればそう高くもないかな?でも、仕事もしないといけないから、わりにあわないかな、まあ名誉とか家格とかそうした点も含めての値段だろうけど。
『幕府後期、御家人層より出世してくるものを旧旗本家の人がいびって騒動が起きた話は聞きません』(P212)ちょい意外。
『麻上下や素襖の長袴は中世以来「足首」より下を表すのが失礼として発生』(P263)足首にどんな意味があるのかよくわからんなあ。
幕臣家禄の約束事として一石=一俵、現米三十五石=百俵、一人扶持=五表で換算』(P306)知行取りの平均収納率は35%(三ツ半取り)で、百俵(俵=三斗五升で)は35石なので、幕府では俵と石はイコール。一人扶持は五俵。なんか、やろうと思えば、同じ表記で収入表せるのに、家格とかそういう面倒なもののせいで、一本化されていないから、ややこしいことになってるなあ。
旗本の使用人、500俵で十三人って、やたら多いなあ。
『同心株の需要は庶民のほかに、旗本の家来も主人の世話で、割安に入手していたようです。』(P374)前から疑問に思っていたけど、なんで割安になるの?主人が援助してくれるとかかなあ?
『旗本家来の関連書は少なく貴重』(P375)、やっぱ少ないのか、そういう史料。