アクセルワールド 15

内容(「BOOK」データベースより)
神獣級エネミー“大天使メタトロン”を撃破したハルユキ。この世界を汚染する“ISSキット”本体の破壊まであと少し…と思った矢先、加速研究会メンバー、ブラック・バイスとアルゴン・アレイが現れ、赤の王スカーレット・レインを拉致してしまう。ニコを守ると約束したハルユキは、戒めを解かれた大天使メタトロンの加護を受け、ブラック・バイスを追跡する。いっぽう黒雪姫は、現実世界からニコの回線を切断するため、楓子、謡、あきらとともに、ミッドタウン・タワーのポータルへと向かうが…。“最強のカタルシス”で贈る、次世代青春エンタテイメント!

 今回は結局全編ニコ奪還のためのバトルで終わってしまった。そしてまた「つづく」か、いい加減この章も長いので、そろそろ一段落させて欲しいところだ。あるいはどんなものでもいいけど、ちょろちょろと情報を小出しにするのではなくて、大きな進展が欲しいなあ。それと戦闘描写の分量をもっと控えめにするとかして、それ以外の普段の描写(生身のときでも、普段の彼らレギオンの活動でも)を描いて欲しい。戦闘描写ばかりがつづくと感想に書くようなこともろくにないのだよなあ。
 カバー折り返し部の著者コメントで「暑かった夏がようやく終わった」とあるが、一旦少し気温が下がったけど、まだ30度になる日もあるからなかなか終わった気がしないなあ(笑)。
 ハルはメタトロンウィングにさんざん意思を伝えようとしていたのに、それがメタトロン本人と気づいたときにめちゃくちゃ驚いているが、もし彼女とは関係なく翼が意思を持つといことなら、それはそれで同じくらい驚いてしかるべきことだと思うが、そちらについては自然に受け入れているようなのは何でだろう(笑)。
 レパードさんの必殺技<ブラッシェッド・カノン>は当たればたいてい即死させられるが、はずして建物や地面につっこめば自分が死ぬ可能性があるって諸刃の剣にもほどがある大分とんがっている必殺技だなあ。それに彼女はビーストモードで豹型に変身しているときに、噛み付くとダメージを継続的に与えつつ自分の体力を回復させるアビリティも持っているというのは、自分の体力削る技も相手の体力を奪う技も持っているとはかなり変わっているデュエルアバターだな。
 ブラック・ロータス『全力でジャンプした。特別な跳躍能力はなくとも、軽量級の排卵カーならば、アバターの基礎能力だけで建物ワンフロアぶんの高さを跳ぶことは可能だ。』(P72)黒雪姫のデュエルアバター、たぶん強いという印象が強いから、軽量級という印象は無かったので少し意外だった。というか、普通の人型程度の大きさなら軽量級と扱われるのかな。
 メタトロンは偉そうな感じで喋っているけど、聞かずともかなり色々なことを詳しく教えてくれるなどかなり優しいね(笑)。そしてハルユキに感謝をされると『……愚か者。そのような言葉は、首尾よく仲間を助けたあとに取っておきなさい』なんていっているのをみると口では優しいこといわないが、行動で助けてくれるというのは師匠とか頼れる先輩みたいな感じだ。
 そして先代赤の王の幽霊、残留思念のようなものが利用されていたようだが、意思が保っていられる状態である間の彼の言動を見ると、なかなか伊達男っぽい感じで素敵だな、ただ2年前にこの世界からいなくなった男の幽霊だから、たぶんこうした言動をしていたのがミドルティーンかローティーンだと思うと、少しだけ笑いがこみ上げてきてしまうが。
 また能美の幽霊も出てきたが、こいつまた出たのかと少し不快に思ったら、アイドントライクノウミサンという言葉がふと脳裏をよぎった。しかし、きっとこれ誰かに使われているのだろうなと思って、それをググって見たら、予測変換の3番目に「アイドントライクノウミサン アクセルワールド」とあって思わず吹いた(笑)。
 しかし加速研究会、能美の幽霊を使っていたのだったら、黒のレギオンの面々のリアルバレも容易だったろうに、そうした情報に基づいた行為は(たぶん)していないだろうから最低限の限度は守っているのかな。
 しかし能美さんは、再登場したと思ったらあっという間に再退場したなあ(笑)。
 そしてウルフラム・サーベラスは性格が綺麗すぎるけど、それなりに好感の持てるキャラだし、数少ない男キャラでそれなりに交流を持てそうなキャラなので、流石に黒のレギオンに入るまでのことはないだろうが、せめて、それでも望み薄だろうけど、加速研究会と離れて今後は一バーストリンカーとして無事に過ごしてくれるといいのにな。
 またもやつづくだが、加速研究会の面々はどっかいったし、今回最後に出てきた災禍の鎧マーク?をどうにか出来たら区切りになってそれから新章になるだろうから2巻先あたりの新章は楽しみだなあ、これで次の巻またつづくとかだったら流石に読み続けるかかなり迷うだろうから、次でこの章は終えてくれよ。