2月に読んだ本のまとめ

2014年2月の読書メーター
読んだ本の数:22冊
読んだページ数:7773ページ
ナイス数:442ナイス

RPG W(・∀・)RLD15    ‐ろーぷれ・わーるど‐ (富士見ファンタジア文庫)RPG W(・∀・)RLD15 ‐ろーぷれ・わーるど‐ (富士見ファンタジア文庫)感想
シリーズ最終巻。短編と後日譚が収録されている。ラムダは建国したり、そのためにヴァイオンを利用したりと想像以上に大きなことをする。彼は勇者パーティーの中では一番有能だな。ユーゴの偽教団を作って世界に危機感を持たせるという計画は無理があったので、本物の教団が出てきて胸をなでおろしたが、なぜか偽教団計画も続行しようとしているという、今後は描かれないけど、その後に強い不安を残す幕引きには思わず苦笑してしまう。
読了日:2月28日 著者:吉村夜
ベン・トー 12 デザートバイキングプライスレス (ベン・トーシリーズ) (スーパーダッシュ文庫)ベン・トー 12 デザートバイキングプライスレス (ベン・トーシリーズ) (スーパーダッシュ文庫)感想
シリーズ最終巻。冒頭で作中の小説「マッスル刑事」の感想という体裁を取って「微妙に独立した短編とも見え、さらに全てがifエンディングにも見える……」と書いてあるが、この本も他のヒロインたちと結ばれると考えることが出来る短編がいくつも用意されている。そして著莪については明確にもう一つのエンディングとして書かれているのはすごく嬉しい。最後まで著莪と結ばれてほしいと願っていたので、今回槍水先輩ENDと併置して、著莪の想いが報われて彼女と結ばれるエンディングが描かれたことは本当に良かった。それだけで満足だ。
読了日:2月28日 著者:アサウラ
今さら聞けない科学の常識―うろおぼえを解消する102項目 (ブルーバックス)今さら聞けない科学の常識―うろおぼえを解消する102項目 (ブルーバックス)感想
『米国や韓国では改正メルカリ震度階級、ヨーロッパ各国ではヨーロッパ震度階級(EMS)、ロシアやインドではMSK震度階級といういずれも2階級の震度が使われるなど、各国まちまちで、統一した国際基準はない』(P176)けど、震度自体はどこの国でもあるものなのか。それから以前は活火山、休火山、死火山と火山を三つに区分していたが、現在では「噴火した記録があればすべて、活火山とみなされる」というのは知らなかった。
読了日:2月28日 著者:
医学の歴史 (講談社学術文庫)医学の歴史 (講談社学術文庫)感想
古代では一箇所に定住する医者は少なく、ヒポクラテス(中世でも彼の医学が大学で教えられていた)のように高名な医者でも渡り職人のような遍歴医であることが普通だった。『中国北部は不毛の地が多くて薬用とすべき植物も少ないので、物理的な刺激療法が用いられたのであろう。これに対して、張仲景の『傷寒論』は南方の揚子江(長江)付近に発達した医学なのである。』(P125)中国の北部と南部でそんな違いがあるとは知らなかった。中国や昔の欧州でも外科と内科の間には強固な境界があったが、それは18、9世紀の欧州でとりはらわれた。
読了日:2月27日 著者:梶田昭
RPG W(・∀・)RLD14    ‐ろーぷれ・わーるど‐ (富士見ファンタジア文庫)RPG W(・∀・)RLD14 ‐ろーぷれ・わーるど‐ (富士見ファンタジア文庫)感想
今回で本編はラスト。ラスボス戦はリサがラスボス・ギャスパルクの中で叛乱したことでギャスパルクが無敵ではなくなり、その時にショウが一回しか使えない一定時間全軍無敵化を発動したことで、それまでの絶望的な雰囲気が一気にイケイケムードへと転じた場面では、最後だから勝つとはわかっていても、やはり心が浮き立ってくる。
読了日:2月26日 著者:吉村夜
カラシニコフ I (朝日文庫)カラシニコフ I (朝日文庫)感想
AK(カラシニコフ)は耐久力が高く雑な手入れでも、どんな環境の場所でも、子供でも、扱える銃なので多くの紛争地域、失敗した国家の内戦で使われている。失敗国家とは、国家の責務である「治安」と「教育」をする意思がない政権、国家のこと。そして『治安と教育のというふたつの点に注目すればその国家の「失敗度」が見える』(P274)。そのような失敗国家について多く書かれ、子供兵だった人や、AKを開発したカラシニコフ本人、壊れた治安を自分たちで回復させたソマリランドソマリアの一部)の人たちなど様々な人へ取材がされている。
読了日:2月25日 著者:松本仁一
国際メディア情報戦 (講談社現代新書)国際メディア情報戦 (講談社現代新書)感想
現在の情報戦は水面下でごく一部しか知らない情報を入手することではなく、重要な情報を外部に発信することで情報を「武器」として、『情報を少しでも多くの人の目と耳に届け、その心を揺り動かすこと。いわば「出す」情報戦なのだ。』(P5)。PRのエキスパートはやらせや捏造という手段を用いない。そして彼らは『広告スペースではなく、テレビなら通常の番組や報道、新聞なら記事の部分にクライアントの意思を反映させる』(P29)ために様々なテクニックを駆使する。
読了日:2月24日 著者:高木徹
マージナル・オペレーション 04 (星海社FICTIONS)マージナル・オペレーション 04 (星海社FICTIONS)感想
ジブリールがアラタに惚れているのは最初からわかりきっているのに、アラタはそのことをジニに指摘されてもまだ半信半疑なのは、流石に鈍感がどうこうというレベルを超越しているから唖然としてしまう。今回は中国軍がアラタたちの拠点を襲撃したところで終わり、そして次巻予告のページに記されている台詞はちょっと不穏だが、次回は最終巻だからハッピーエンドで終わってくれることに期待、そしてアラタの活躍もあればいいな。
読了日:2月22日 著者:芝村裕吏
守城の人―明治人柴五郎大将の生涯 (光人社NF文庫)守城の人―明治人柴五郎大将の生涯 (光人社NF文庫)感想
北京籠城戦では、突如として周囲が敵だらけ(義和団・清国軍)となった公使館が密集している地域に籠城して、わずか数百という少勢で多数を相手に奮戦して、援軍が来るまで2ヶ月弱の期間を耐え切る。共死共生の状況に置かれた英国、日本、イタリア、米国などの公使館付きの武官や義勇軍が団結して、1つの集団として戦っている姿は、なんだかドリームタッグみたいでわくわくするし、切迫した状況の中で純粋に能力によって判断される中、柴五郎を筆頭に日本人の将兵が面目を施すというのは爽快だし、読んでいて嬉しくなってしまう。
読了日:2月21日 著者:村上兵衛
なんでもわかるキリスト教大事典 (朝日文庫)なんでもわかるキリスト教大事典 (朝日文庫)感想
多くのキリスト教の諸教派について、それぞれどんな特徴や違いがあるかについて書かれている。そして巻末には付録として主要教派の対照表がまとめられているので、それぞれの教派の違いを一覧として見開きで見ることが出来るのは、後々参考にするのに便利でいいね。また、イラストも多数あって、祭具や聖職者の服がどういうものなのかが見てわかるようになっているのは、今まで小説に出てきても字面から勝手に想像していたが、どのようなものなのかが実際に見ることができて良かった。
読了日:2月20日 著者:八木谷涼子
いざ志願! おひとりさま自衛隊 (文春文庫)いざ志願! おひとりさま自衛隊 (文春文庫)感想
ほとんど勢いで予備自衛官補の試験を受け、5日間×10の訓練をして予備自衛官となったライターである著者の自衛隊体験記。解説にも書いてあるように、最初は自衛隊のことについて興味がなく、ほとんど勢いで入ってきた著者は、自衛官たちの姿や言動に感化されて、東日本大震災が起こった翌日に自衛官の所属地方協力本部からの電話で、召集があったら応じられるかとの問いに対して「召集があればいつでも行きます」と答えたように、自衛官の自覚と美質を持つようになる。
読了日:2月19日 著者:岡田真理
マージナル・オペレーション 03 (星海社FICTIONS)マージナル・オペレーション 03 (星海社FICTIONS)感想
今回ついにアラタたち一行に死人が出る。しかも戦闘の最中の死者ではなく、もう戦闘が終わったと思ったところでの奇襲によって(前回自分がしたことを偶然にもやり返されるかたちで)殺されたことで、よりショックが増した。あとがきによると、シリーズは全5巻だけど今回が主人公の気持ち的にどん底だそうなので今後はそうそう悪いことは起こらなそうだ。それに今回以降ファンタジー色が増していくようなので今後はアラタたちの活躍も派手になりそうだし、ファンタジー色が強まることがハッピーエンドにも繋がりそうだから楽しみ。
読了日:2月18日 著者:芝村裕吏
黒猫館の殺人〈新装改訂版〉 (講談社文庫)黒猫館の殺人〈新装改訂版〉 (講談社文庫)感想
改訂版もこれで最後。この本は入念な伏線が張られていて、無駄がないのにとても読みやすくて面白い、そして真相も突飛でなく推理可能なレベルという、ほとんど完璧じゃないかと思うほど完成度が高い、ミステリーのお手本のような作品だ。鮎田の手記は正直に出来事を記されているが、手記での出来事に関係のないことや彼にとって自明のことについては話していない。しかしそうした直接的に書かれていないことでも、真実を見つけるヒントがいくつも手記中にちりばめられているので、真実を明かされても驚きはあっても、突飛には感じない。
読了日:2月17日 著者:綾辻行人
クトゥルフ神話TRPGリプレイ るるいえはいすくーる (ログインテーブルトークRPGシリーズ)クトゥルフ神話TRPGリプレイ るるいえはいすくーる (ログインテーブルトークRPGシリーズ)感想
クトゥルフTRPGリプレイ。「るるいえあんてぃーく」の続編でキャラも前作から引き継ぎ。前作で永久発狂した京が今回はNPCとして登場して、彼女が永久発狂から治って妄執からも解き放たれるという結末を迎えたのは良かった。他のPLもそのことを良かった良かったといっていたのに、辰巳教授がこれで死んだら、今度こそ京は完全に壊れてしまうとKPに忠告された辰巳教授のPLが、では、辰巳も探索者引退かなあと、言ったのに、いなくなったら技能が足りなくなるからと正気度が30を切っている辰巳教授を引きとめているのは笑った。
読了日:2月14日 著者:内山靖二郎
海の底 (角川文庫)海の底 (角川文庫)感想
自衛隊の投入を官邸に決定させ、苛立った米軍の爆撃回避するため、レガリス相手に全力で戦い敗走するという茶番を演じる機動隊が格好いい。あとがきによると、警察・内閣・自衛隊・『きりしお』艦内・米軍などをいくつかのパートに分けて、友人たちにそれぞれ役を受け持ち、チャット詰め将棋のようなことをして、この事件は作りあげられたが、『米軍役を受け持った友人が執拗に米軍の出動を画策して何かに取り憑かれたようでした。内閣・警察・自衛隊役が相談しつつこれを封じるわけですが、なだめすかしてもう必死』だったというのは笑ってしまう。
読了日:2月12日 著者:有川浩
アクセル・ワールド (16) ―白雪姫の微睡― (電撃文庫)アクセル・ワールド (16) ―白雪姫の微睡― (電撃文庫)感想
長かったISSキット編もようやく終わり。そして次回は「明るめ」の話となるようなので楽しみ。メタトロンの話があっさりと退場していったのは結構ショックだったので、最後にメタトロンが復活したのは本当によかった。そして今回は結構新情報が出てきたが、加速研究会のトップと黒雪姫の因縁の相手が同じことが判明して敵が一元化して、物語のゴール地点が帝城となるだろうことがわかったので、大分先行きが見えてきた印象。
読了日:2月11日 著者:川原礫
世界の国 1位と最下位――国際情勢の基礎を知ろう (岩波ジュニア新書)世界の国 1位と最下位――国際情勢の基礎を知ろう (岩波ジュニア新書)感想
世界全体の出生率は1970年には4.5だったが、2000年には2.7となった。そのように世界全体の出生率は年々低下傾向にあり、2050年には出生率が2.0前後となる予測もある。アメリカ経済は両大戦によって拡大したというイメージがあるが、実は第一次世界大戦前年の段階で世界全体のGDPの19.1%を占めており、次の中国8.9%、ドイツ8.8%、イギリス8.3%と、2位以下の国にその時点でダブルスコアの差があった。あと、世界一の石油の産出国が中東の国ではなく、ロシアだということはかなり意外だった。
読了日:2月9日 著者:眞淳平
終物語 中 (講談社BOX)終物語 中 (講談社BOX)感想
阿良々木くんが購入した臥煙さん似の女性の写真集を、臥煙さん本人に見られて『こういうのはおねーさん、きみが思っている以上に本当に引くから本当にやめて』と、本気で引かれていたのには笑った。でも彼女は全能で、不気味な人だったので、その本気で引いている姿を見て、彼女のことをはじめて可愛いって思った(笑)。
読了日:2月8日 著者:西尾維新
毒物雑学事典―ヘビ毒から発ガン物質まで (ブルーバックス)毒物雑学事典―ヘビ毒から発ガン物質まで (ブルーバックス)感想
毒や薬について2Pで1項目を説明している。インディオが使っていたクラーレという矢毒が、手術のときに筋肉を麻痺させて痙攣を除く特効薬になったというのは驚き。ステロイドはドーピングのイメージが強いが、ステロイドは炎症やアレルギー、膠原病の特効薬で、この薬をリューマチ性関節炎で歩行不能の患者が飲んだとたんに硬くなった手足を動かし楽に動けるようになったことを記録した医学映画が「今まで記録された医学映画のうちで、もっとも偉大な発見の一つを撮影した」とされているような薬でもある。
読了日:2月6日 著者:大木幸介
オーバーロード6 王国の漢たち[下]【ドラマCD付特装版】オーバーロード6 王国の漢たち[下]【ドラマCD付特装版】感想
「王国の漢たち」ではアインズはもとより、クライムよりもブレインの方が主人公的な役回りだったな。アダマンタイト級の戦闘能力を持つ、八本指の六腕とセバスが戦ったときに、彼ら一人一人のすごさが説明された後、セバスが一瞬で倒すというパターンを繰り返していたのは笑った。しかしイビルアイがちょろすぎて、読んでいて恥ずかしくなってしまう。それから、本来はメインイベントとなるはずの冒険者最強と悪魔の首魁の一騎打ちは芝居だけど、悪魔対冒険者の首都決戦でのブレインやラキュースたちの奮戦は面白かった。
読了日:2月4日 著者:丸山くがね
ガラスの街 (新潮文庫)ガラスの街 (新潮文庫)感想
主人公であるクインが狂気じみた一時の熱中により、全てを失った姿を見るのは辛いので、少し苦手だ。でも、クインが同一人物と気づいていないと思われるピーター・スティルマン(父)に対して、クインが毎回名乗る名前を変えて、何回か邂逅している一連の流れはちょっと好きだな。
読了日:2月3日 著者:ポールオースター
花々と星々と (中公文庫 い 34-18)花々と星々と (中公文庫 い 34-18)感想
絵に描いたような幸福な家庭で育った幸福な子供が、政治の風向きが怪しくなったことで、父の変化や祖父を失うなどの悲劇を体験し、その幸福な状況から否応なしに引き剥がされてしまうのは読んでいて悲しくなってくる。「孤影」家庭では孤独だったという祖父の犬養毅が、おやつとしてビスケット缶のビスケットを1枚、2枚ずつ後生大事にちびちびと幸せそうに食べているような姿を見ると、寂しい人なのだと感じてしまい、切ない気分になってくる。
読了日:2月2日 著者:犬養道子

読書メーター

ラ/////5///
小///
エ//
ノ/
歴//
思/
そ/////5





ライトノベル 8
小説 3
エッセイ 2
ノンフィクション 1
歴史 2 
思想・宗教 1
その他 5


2月に読んで特に面白かったもの

ベン・トー 12 デザートバイキングプライスレス」

 明確にIFとして著莪ルートが書かれていることだけで嬉しい。
「守城の人―明治人柴五郎大将の生涯」
守城の人―明治人柴五郎大将の生涯 (光人社NF文庫)

守城の人―明治人柴五郎大将の生涯 (光人社NF文庫)

 「ある明治人の記録」を読んでいて序盤の子供時代の会津戦争でのエピソードにかなり見覚えがあったのと、本書自体にかなりボリュームがあったので、中々読み進まなかったけど、いったんペースをつかむとサクサクと読み進められる。一番の見せ場である北京籠城戦、そしてその戦後の話は大活躍していてすごく面白い。
黒猫館の殺人〈新装改訂版〉」 とても完成度の高いミステリ。物語云々ではなく、そうしたミステリーの完成度の高さに美しいと感じたのはじめてかもしれない。
「海の底」
海の底 (角川文庫)

海の底 (角川文庫)

 自衛隊三部作は、SF風ということだし図書館戦争もいまいちピンとこなかったので今まで読んでこなかったが、これは面白い。有川さんの小説の中でもトップクラスに好きかも。他の自衛隊三部作も食わず嫌いせずに読もうと思うが、そして「空の中」は既に購入済みだが、三部作の中で一番リアルな世界観なのは「海の底」らしいので、多分一番好みなのも「海の底」っぽい予感がするから、「空の中」は購入はするがいまだ読めていない。
オーバーロード6 王国の漢たち[下]」 書籍版オリジナルの展開で、デミウルゴスの描いた作戦が面白いなあ。