オーバーロード 7

オーバーロード7 大墳墓の侵入者

オーバーロード7 大墳墓の侵入者

内容(「BOOK」データベースより)

期待と欲望に目を輝かせた「ワーカー」の集団が未知なる遺跡―地下墳墓へ踏み込もうとしていた。その偉大なる地へと依頼を受け、挑む闖入者は、“脱落者”。胸に秘めた想いを持つ、冒険者の影の側面を求めた者たち。少数精鋭の“フォーサイト”、歴戦の戦士が揃う“ヘビーマッシャー”、伝説の老公“グリーンリーフ”、不敗剣士によるワンマンな“天武”。生贄を絡めとるがごとく、次々と姿を現す大墳墓の住人たちが棲む悪夢のようなナザリックから、彼らは生還することができるのか?


 帯やあとがきにもあるようにアニメ化するのか、結構な分量はあるが、物語的にまだまだ序章というか、うまい切りどころがいまいち見当たらない段階だと思うから、アニメは消化不良な終わり方(アインズが最初からずっと一番脅威に思っている、他のプレイヤーの存在やその遺産が実際あるとわかっていても、その不安が解消されずに終わるということ)になりそうだという不安がある。それとも結構オリジナル要素があるような形でのアニメ化になるのかしら。特に改変を加えないのなら、どこまでアニメ化するのかわからないけど、4巻までならリザードマンが、6巻までなら王国組が主役で、主人公が悪役にしか見えない終わりになりそうだ。まあ、最初からアインズたちナザリック組はそういう立ち居地だけどさ(笑)。
 発売日にアマゾンで注文したのだがうっかり発送までに2〜3週間というのを見過ごして、しばらく読めなそうと思って身もだえしていた。しかしたぶん発送までが最初に予告されていたものよりも早まるだろうことはわかっていても、それがいつになるかどのくらい縮まるかは予想できなかったので、案外早く発送されてきて、そんなに待たずに読むことができたのでホッと一安心。
 そして巻末の次巻予告を見ると、次回は番外編っぽい内容で、ナザリックやこの世界の色々な日常がかいまみれそうなので楽しみだ。それにその次巻が2014年冬、つまり今年中に出る!まさか今年中に続巻がくるとは思っても見なかったことなので本当に嬉しい。
 しかしイラストはもっと線やら色やらの多い荒削りな迫力のある、おどろおどろしい感じで独特の重量感のあるラノベらしからぬイラストという感じで、こういうのが好きな人もいるのだろうけど、個人的にはあまり線を重ねないようなアニメ的、ラノベ的なイラストのが見やすくていいなと思っていたが、今回はアニメ化企画が上がっているからというのもあるのか、ちょっとシャープと言うか、そうだといいなと思っていた感じのイラストで見やすくなっているのは嬉しい。
 課金ガチャによる高レベルのモンスターって、そんなものがあったのか。そのほかにも課金についてあれこれと語っていた場所が以前にもweb版にもあるので、どうも結構トップになるまでに相当量の課金が必須という感じのゲームだったみたいだな。
 前回エントマの装備していた口唇蟲が破壊されて、声が変わってしまったけど、それは私怨もあって戻してないようだけど一応ユグドラシル内硬貨使用によって、元の声を取り戻せるのはなんだかホッとする。
 しかしアインズ、褒美の加減とか考えていたのね。てっきり今まで部下の頑張りをほめたいとか、奉仕されているのに何もあげないと落ち着かない、彼視点ではどれだけ絶対視されているか分からないからおびえもあってそうしているとかの理由があってあげているのかと思っていたが、ちゃんと考えていたのね。
 ナザリックの建国、web版の帝国の下につくという選択よりも嬉しいけど、それは同時にナザリックが表舞台に出るということでもあるから心配でもある。
 アインズが初手でナザリックの秘匿行動を取ったし、爪切り剣士が仲間にならなかったから、このワーカーのナザリック進入イベントは起こらないと思ったので、この話が書籍版にも登場するとは意外だった。侵入者が出たときに対処できるか、そしてどの程度の費用がかかるかという試しのためにおびき寄せて、アインズが主導してイベントをこなしたので、アインズの黒さが増しているなあ。
 アインズはワーカーとモモンの姿で邂逅していて、その姿はワーカーたちからも仰ぎ見られて凄さが語られることも会って格好いいんだけど、いつものことながらアインズが出てくるとポカをやらかさないか心配で常にハラハラしてしまう。
 恐怖公(G)と配下のGが密集した部屋が見開きカラーで描かれるのは流石にきつくて、よく見ずに直ぐに次のページへとすすめてしまう。Gなんて、見て気持ちのいいものではないし、こんなところは力を入れるべきところではないだろ。ネタにはなるけど(笑)。
 ハムスケ、エルヤーと対峙して倒しているところを見ると、彼はマスコット枠でもあり、爪切りさん枠でもあったのか。
 ユグドラシルの強力なアイテムがこの世界には小数だが色々あり、またユグドラシルのことを知る人間もいると知って、ナザリックが無双できるか、厄介な損害を負わないか心配になってきてしまう、面倒なことにならなければいいが。
 アインズがweb版とは違い、戦士としてもそれなりに洗練した戦いかたをしている様子なのは嬉しい。web版だと格好悪いことこの上ない有様だったからな。
 アインズが油断なくナザリックの戦力の強化に貪欲なのは、慢心して足元をすくわれるのは怖いし、そういう展開はフラストレーションがたまるからありがたい。
 フールーダ、どうやって仲間になるのかと思っていたが、モモンとして面会して力を見せることで、忠誠を誓わせる。ただ、これはどうやってフールーダの性質・内心を知ったのかと疑問に思うところでもあるが。web版の展開よりもかなり強引な展開で、なんか仲間にしなければから無理やり仲間にしたと言う感もなきにしもあらずだが、まあ、ナザリック側に都合の良いご都合主義ならどうでもいいさ(笑)。