ゴブリンスレイヤー 2

内容(「BOOK」データベースより)

ある日、ゴブリンスレイヤー指名の依頼書が冒険者ギルドに届いた。差出人は水の街―辺境一栄える至高神の都の大司教だった。大司教はかつて魔神王を打ち倒した金等級の一人として、剣の乙女と呼ばれる英雄でもあった。彼女いわく、水の街の中に何故か小鬼が出るという。ゴブリンスレイヤーは妖精弓手、女神官、蜥蝪僧侶、鉱人道士とともに水の街の地下迷宮に挑む!「この小鬼禍は、人為的なものだ」蝸牛くも×神奈月昇が贈るダークファンタジー第2弾!


 元のWEB版では1巻分の内容でまとまってある作品だったので、その続編が見ることができるというので楽しみだったので早速2巻が発売されてうれしい。
 昔ながらのファンタジーの世界、TRPG的な世界観の中でのゴブリンスレイヤーたちの冒険を描く。
 前巻から引き続いて、ゴブリンスレイヤーは女神官、妖精弓手、蜥蜴僧侶、鉱人道士を仲間に冒険を続けている。
 ゴブリン退治に血道をあげるゴブリンスレイヤーは今までソロの冒険者であったが、前巻での冒険もあって少し柔らかくなって、人に頼ることも少し覚えて、こうして共に冒険する仲間ができた。
 ゴブリンスレイヤーは武器は使い捨てで、現地調達というかゴブリン達から奪えばいいという考え。しかし防具は彼奴らがまともな防具をまとっていることはまれなので、鎧兜とはしっかりとまとっている。ゴブリンスレイヤーが盾の縁をしっかりと磨いて、そこも使えるようにしているというのは流石だな。そういう細かい工夫・準備が描写されていると歴戦という感じがでていいね。
 前半はパーティーメンバーとの交流、ゴブリンスレイヤーと仲間たちとの日常が描かれる。
 その後依頼を受けて、彼らが拠点を置く辺境の町から馬車で二日の距離にある、辺境の大都市へと赴く。今回の依頼者は法の神殿(至高神の神殿)の大司教でその街を治める剣の乙女。そしてその都市の地下水道に拠点を築いてしまったゴブリン集団を退治することを求められる。
 そして彼らは今回地下にもぐりながらゴブリンたちを倒し、また急にゴブリンが発生した原因が人為的なものとわかったので、その原因を探ることになる。
 今回の冒険は幾度も地下に潜って冒険をするから、冒険や戦闘シーンの後に日常的な場面が入っていているのはいいね。
 女神官は地母神の神官で剣の乙女は至高神だそうだが、イラスト的には衣装の意匠が似ている。これはどれもDQ的な神官イメージから引っ張ってきているから、神官を表すためにわざと同じようにしているのかな。
 妖精弓手ゴブリンスレイヤーにさらっと下着って必要あるのかと聞いて、彼はそれを俺に聞くなと流しているが、この世界のエルフはそうで、妖精弓手もそういうことなのか。
 戦闘シーンは相変わらず一歩間違えると、というか運が悪ければ敗れることも十分にあることがわかる死闘で緊張感があっていいね。そして大けがを負ったゴブリンスレイヤーが、とんでもないものまで武器に使っているのを見て、彼は本当に何でも使うなとちょっと驚く。
 それと今回、ゴブリンスレイヤーがかつてゴブリンの群れに自分の村がやられた後についた師匠(忍び)とのエピソードも書かれる。そうした時代の彼のエピソードが架かれたことがなかったが、師匠いたのね。スパルタの老爺の師匠と少年、カンフー映画の修行とか(あまりそうしたのを見たことないのでイメージだけど)そうした感じのエピソード。
 あとがきによると次回は『辺境の街の収穫祭を予定しております。』(P355)とのこと。「間章 その頃の二人のお話」で受付嬢と牛飼娘がそのことを話していたので、今回街の外が冒険の舞台だということで出番が少なかったこの二人の出番が次回は多くなりそうだ。