魔法科高校の劣等生 22

 ネタバレあり。

 以前に沖縄で大亜の人たちと一時共同作戦をしたときに深雪が使用していた、魔法を使えなくする魔法「ゲートキーパー」。達也や深雪のようなサイオン保有量の非常に多い魔法師には害のない存在ということで、四葉内では公開。
 前回の二十八家の若手会議の後に、真夜のもとへ赴いたが、そこで達也の行動に賛意を示される。そうして四葉内ではそんなふざけた要求は取り合わず、無視でそれで攻撃を受けたら反撃することを決まった。そうやって四葉家が達也と同様の姿勢をとることになって一安心ではある。反面外は敵が多くなって、四葉家が他の多くの勢力という状況となりつつある。
 そこで真夜に十文字家と十山家、そして九島光宣には要注意という言われる。そんな強くて別に十師族には一〜十それぞれ一つずつという決まりがないのに、十山家が十師族になってない。それは要人守護を主目的とする能力で、裏方的な役割に徹する家だから実力があっても十師族にはならないという理由があってのことのようだ。
 前回十山つかさが三矢詩奈と顔見知りだった。それには三矢家は政府と暗黙の了解のもとで外国と交渉し国外に出ることもある家で、国防軍に非常に近い十山家を疎かに扱えず便宜を図らなければならない。だから三矢の大人たちは好意持っていないが交際はあるという両家の関係のようだ。
 しかし十山つかさという悪意の人、嫌だなあ。もし達也を計りたいなら四葉として表に出てきたのだから、その表の行動で判断すればいいだけのことなのに、それをしようともそずに不当な暴力的手段をとっていることが不快。

 前述の真夜だけでなく、詩奈と侍郎の会話などでも達也の意見を当然のものと思っていることに安心する。
 十文字克人の株がどんどん落ちる。達也は阿呆な会話に前提を思い出させただけなのに、問題視するかね。阿呆な提案をしていた人やそれを掣肘しなかった自分のことを棚に上げて、相手に妥協を迫るとか、自分が重きを置かれていると思い過ぎ。彼は自身の立場と風格で自分の意見が通ることに慣れすぎているのかな。
 十文字家のメンツを盾にして妥協してもらう。下らない提案と圧力をはねつけて婚約者を守ったこともまた四葉家としても達也としても面子を保つための行いともいえる。それなのに、そんな提案を止めずにいた主宰者が家のメンツが〜といおうとするのは中々の面の皮の厚さではないか。
 侍郎を強くするためにスパルタに鍛えるエリカに違和感を覚えるレオ。その変化は高校に入って色々なことに巻き込まれて、先ごろ兄を亡くしたことで、もっと強くならなければという想いを強固に持つようになった。それだから幼馴染を守るために強くなりたいという強いモチベーションを持つ侍郎に巻き込まれても切り抜けられるようになればいいと思い、惜しまずに修業をつける。
 詩奈は結局最後まで演習と騙されていたのか。
 前回と今回で他の二十八家のいささか軽慮な人たちから反感を買い、十文字家と近しい十山家が露骨な攻撃を加えてきて、もしかしたら十文字家も敵に回るかもしれない状況となる。そのことで、達也が四葉次代当主深雪の婚約者になって、立場が安定してから盤石過ぎて薄れていた緊張感がでてきた。次回は「孤立編」とまだこの状況は続きそうで、この対立ははたしてどういう形で決着するのか楽しみ。
 十山をしとめきれず、十文字と敵対するかもしれないことがほのめかされる。ラスト近くがそうした展開だった後、最後にリーナから感謝の言葉という少し良いことが描かれて終わりなのはいいね。