魔法科高校の劣等生 23

魔法科高校の劣等生(23) 孤立編 (電撃文庫)

魔法科高校の劣等生(23) 孤立編 (電撃文庫)

 ネタバレあり。
 以前に達也が開発したアクティブ・エアー・マインが武装ゲリラに使用されたことで、達也への風当たりが強くなる。
 USNAのエドワード・クラークが宇宙開発計画の発表して、会見中にトーラス・シルバーが日本の高校生であることを明かして参加することを求める。しかし達也はこの計画は、脅威となる魔法師を宇宙鉱夫にして長年地球に戻って来させなくするための計画なのではないかという強い懸念を抱く。
 USNAの依頼を受けて達也がトーラス・シルバーと知った一高の校長らは、達也はもう魔法科高校で学ぶレベルでないから授業に出なくてもA評価で処理するというおためごかしをいって、プロジェクト参加するように少し圧をかけられる。
 達也は真夜の学校に対して謹慎するふりをしてほとぼりを冷ますという発言の裏に何かあることを疑うも、ざわつく周囲に対して冷却期間を置いたほうがいいというのは確か。達也は伊豆に引っ越し、そして深雪は達也が身辺にいなくなることで周囲の警戒が薄くなることを危惧して、四葉の首都圏本部に引っ越すことになる。

 新ソ連の戦略級魔法師のベゾブラゾフがUSNAの宇宙開発計画に協力するという言を述べる。そのことで日本はことわりづらい雰囲気となる。それを受けての達也の推測、通常戦力で突出している二国USNAと新ソ連はこの計画ではグルで、強い力の魔法師を集めることで他国の魔法戦力を奪う目的があり、そうすることで小さい国に対抗できなくさせようとしている。
 十師族でも達也が自ら計画に協力して、人身御供になるべきだという論調が強くなる。四葉は反対ではあるが、本人の意向にまかせるというなど全力で守ろうとはしていない。そして計画に協力するように「説得」する尖兵として十文字先輩が達也のもとにくることになる。しかし十文字は最近の展開でどんどん評価が落ちていく。
 国防軍の襲撃についての情報を文弥から貰うも四葉は援軍出さないともいわれる。その方針に深雪は怒り心頭。そして達也は風間中佐にその件について尋ねる。風間は情報部の反逆だと伝えるも、襲撃される達也の身を心配するよりも彼が襲撃者を撃退することで上官の佐伯少将が困ったことにならないかという心配を真っ先にして、達也へ何らかの支援を約束することはなかった。それで達也が浮かべた酷薄な笑みの意味は、もはや独立魔装大隊との蜜月は終わったということだろう。
 深雪は襲撃の情報を聞いて悩んでいたが、達也と十文字との面談も知って、悩む必要はなく他者の思惑を気にせず達也のために助けるべきだと心に決める。 
 達也に対する一高、四葉国防軍(独立魔装大隊)の冷たい対応。それがあったから深雪は、エリカやレオら同級生らが達也のことを本気で心配してくれていることに感動する。
 深雪は達也の封印を解くことを決める。ろくに助力しない四葉はあんまりだと、いい加減耐えられなくなる。それならばと達也が常に本来の力を振るえるようにする。封印を解くのに本来は深雪の負担が大きいが、以前開発したゲートキーパーの応用で負担なくその封印を解く。そして達也と深雪の強化がされる。
 封印を解かれた達也は十文字を下す。そして同日に来た襲撃者は、深雪の言葉からひょっとしたらその日に達也への襲撃があるのではないかと思ったエリカが警察のコネを使って大義名分を得つつレオら同級生の友人組が退治する。そして先輩らを前に彼らは達也を孤立させないと堂々と述べる。
 しかし捕獲した十山つかさを十文字に預けたが、十山がまた暗躍するなんてことがあったら嫌だな。十山はいい加減退場してもらいたいところだがどうなるかな。
 最後にレイモンド・クラークがトーラス・シルバー(達也)のことをメディアに暴露したことで達也は追いつめられることになるという引きで終わる。