七人のおば

七人のおば (創元推理文庫)

七人のおば (創元推理文庫)

Amazonの説明

出版社/著者からの内容紹介
結婚し渡英したサリーの許へ届いた友人の手紙で、おばが夫を毒殺して自殺したことを知らされた。が、彼女にはおばが七人いるのに、肝心の名前が書いてなかった。サリーと夫のピーターは、おばたちと暮らした七年間を回想しながら、はたしてどのおばなのか、見当をつけようと試みる。一作ごとに趣向を凝らすマガーの代表作!

内容(「BOOK」データベースより)
被害者捜し、探偵捜し、と一作ごとに新機軸を出して読者を魅了した才媛パット・マガーの長編代表作。戦後「怖るべき娘達」のタイトルで紹介され、女史の名を一躍高めた記念すべき作品。友人からの手紙で故郷のおばが殺されたことを知った主人公が夫の協力を得て、過去の思い出の中から犯人と被害者を捜そうとする。安楽椅子探偵ものの傑作である。

今まで僕が、読んだことがあるミステリーとは、どれとも違う感じで新鮮で、面白かった。

「あんたの読みは、あたしのと同じくらい性格ね。バートって人は困ったことに、最後に話した人の意見を鵜呑みにするの。クララは彼に全うな暮らし方を説き、テッシーと社会に対する義務を聞かせるわ。彼が納得するのは間違い無しね。いい子になりますと約束するし、そのときは本当にそのつもりなの。模範的な夫となる決意を固め、テッシーと家に帰り、何もかもがうまくいく――またしてもドリスにつかまるまではね。すると、すべてはおじゃん!殊勝な心がけはどこへやら。彼女にならって、“愛のために一切を投げ捨てる式の心情に鞍替えするの。クララはまたはじめからやり直し」(163p)

このセリフの最後に話した人の意見を鵜呑みにするというのは、僕にも少し当てはまる気がするのでちょっと身がつまされることば。