ご冗談でしょう、ファインマンさん(上)

ご冗談でしょう、ファインマンさん(上)

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)

出版社の説明文

少年時代より変わらぬ,あくなき探求心といたずらっ気….20世紀を代表する物理学者が,奇想天外な話題に満ちた自らの人生をユーモアたっぷりに語る.ノーベル賞受賞をめぐる顛末,また初来日の時の“こだわり”など,愉快なエピソードのなかに,とらわれぬ発想と科学への真摯な情熱を伝える好読物.

久々に一日で読み終えることができた。
エピソード一つ一つが面白くて読み始めたらとまらなかった。けれど、『下から見たロスアラモス』は、第二次大戦中に原子爆弾を研究していたときのエピソードだったのであまり楽しむことができなかった。
特に面白いと感じたエピソードは、『逃げの名人』と『二人の金庫破り』
『逃げの名人』
人文形の講座をとらなくてはならない規則のためにとったクラスでの「テーマ」(論文みたいなもの)を全然関係のない話や風刺文などでうまく逃げるようにしていた
『二人の金庫破り』
趣味のような感じで錠前を開けたり、金庫を破る方法を練習していると金庫破りの名人として知られるようになる

「一体全体何についてテーマを書くんだい?」
「だから教授が今までずっと一年中話してきたことだよ。」
 これには困った。この学期を通して講義でただひとつ覚えていることといったら、ちょっと声を上げて「もがもがふにゃふにゃ意識の流れもがもがふがふが」といった後、またへなへなと元通りの混沌たるつぶやきに埋もれてしまったときのことだけだ。(62p)

「今、僕は詩と物理の類似を示しましたが、詩についてたとえどんなことを言われたとしても、物理だけでなくどんな分野とでも、同じようにこじつけて類推する方法をいくらでも見つけられますよ。そんな類似なんかでっち上げたって無意味だと思いますね」(100p)