六号室

青空文庫:六号室
チェーホフの作品を読むのは、チェーホフ・ユモレスカ―傑作短編集〈1〉以来で、読み終えたのが確か7月なので、11ヶ月ぶりくらいでかなり久々。
有名な作品なので、名前だけは知っていたのですが精神病院の話とは知りませんでした。
青空文庫で読了したので旧字体で読みづらかったけど面白かった。
チェーホフ・ユモレスカ―傑作短編集〈2〉が出ていたのを今日気がついて購入した。

無論知識なるものは、永久のものでは無く、變遷して行くものですが、然し生活と云ふものは、忌々しい輪索です。思想の人間が成熟の期に達して、其思想が發展される時になると、其人間は自然自分がもう已に此の輪索に掛つてゐる遁れる路の無くなつてゐるのを感じます。實際人間は自分の意旨に反して、或は偶然な事の爲に、無から生活に喚出されたものであるのです……。

私の病氣と云ふのは抑(そもそも)恁(こ)うなのです。二十年來、私は此の町にゐて唯一人の智者に遇つた。所が其れは狂人で有ると云ふ、是丈れだけの事眞です。

六号病棟・退屈な話(他5篇) (岩波文庫)

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チェーホフ・ユモレスカ―傑作短編集〈2〉 (新潮文庫)

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