麗しのオルタンス

麗しのオルタンス (創元推理文庫)

麗しのオルタンス (創元推理文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
金物屋が次々に襲われ、深夜0時直前、大音響とともに鍋が散乱する。平和な街に続く“金物屋の恐怖”事件。犯人は?動機は?哲学専攻の美しい女子大生オルタンス、事件担当のブロニャール警部、そして高貴な血を引く猫のアレクサンドル・ウラディミロヴィッチ…。何がどうなる?文学実験集団ウリポの一員である詩人で数学者の著者が贈る珍妙な味のミステリ…なのか。

 無神論者のシヌール神父、女性観光客の尻を見ることを日課としている食料品店店主エウセビオス、高貴な血を引く猫アレクサンドル・ウラディミロヴィッチなど登場する人の設定が個性的で、キャラクターをつかみやすい。
 閲覧者に本をなるべく貸し出そうとしない図書館が面白い、オルタンスが貸り出し成功率が日によっては二十五パーセントで、その借り出し成功率で閲覧者の羨望の的って、どれだけ借りさせようとしないだ。そして注が面白い(編集者の注、役者の中なども面白かった)
 解説を読んでこの作品に登場するポルデヴィアという架空の国は、仲間内で架空の国をシェアして使っていたと知った。変わったミステリが好きなので面白く読めた。