須賀敦子全集〈第7巻〉どんぐりのたわごと・日記

内容(「BOOK」データベースより)
「どんぐりのたわごと」―ローマ留学時代、たった一人で原稿執筆から製作まで手がけ、日本に送りつづけたミニコミ誌を全号収録。名作「こうちゃん」をはじめ、サバやジオノの翻訳など、須賀の創作の原点が収められている。「日記」―夫の突然の死から四年。孤独と向き合い、ミラノに別れを告げるまでの日々を克明につづった貴重な記録。


『どんぐりのたわごと』、名前からなんとなくエッセイかなにかだろうと想像していたが、コルシア・デイ・セルヴィで刊行された自費出版による小冊子で、須賀敦子さんが翻訳や編集をしているもの、神学的、キリスト教的な要素が強くてあまりそちら方の知識がないので、あまり興味が持てなかった(と、こうして読む機会がめぐってきたのに、最初から理解しようという努力を放棄しているから、いつまでたっても苦手なままだ)。最初の1,2号がそうだったので、全部これだったら個人的には辛いなあと思っていたが、詩や短い小説、須賀さん自身の創作である『こうちゃん』などもあるので、何とか読み終えることができた。

『日記 1971年1月16日〜7月22日』、どんぐりのたわごとを読み終えたのでそのまま続けてページをめくったら、変な感じだったので、あれっ、と思って、本の後ろの方をあけると、解説の前のページから中央に読み進める形式だった、読み進めるとノンブルが小さくなるというのはなんか不思議な感じ。まあ、日記という形式だし、アルファベットが多いので、縦書きにしたらすごく読みづらくなるので、自然といえば自然だけど。イタリアから日本へ帰国を決めてから、日本に帰ってくる直前のヨーロッパ旅行をいって、イタリアの家に帰ってくるまでの日記。
日記は抜粋というか、残された日記の中で、編集者が選んでいれたのかと思ったが、遺されている日記がこれだけなのか、エッセイでは、周囲の人物を中心に描いているけど、日記では当然、須賀さん自身に焦点があっているから、エッセイとはまた違って面白いからもっと読みたいような気もするので残念。