“文学少女”見習いの、傷心。

“文学少女”見習いの、傷心。 (ファミ通文庫)

“文学少女”見習いの、傷心。 (ファミ通文庫)

内容紹介
もうひとつの”文学少女”の物語、第2弾!!
「きみが大嫌いだ」心葉にそう告げられてしまった菜乃。その日以来、心葉は本心を見せず、取り繕った笑みで菜乃に接するようになる。そんなのは嫌だ! と、夏休み、菜乃はある行動に出るが……。傷心の夏が過ぎ、秋。文化祭に向け賑わう校内で、菜乃はまた新たな出逢いを体験する。不吉な影を背負った少女。彼女に関わる中で、菜乃は彼女の、そして心葉やななせ、皆が様々に心に抱える闇と光を見つめることになる――。

表題作は、短編。そのあとに長編、”文学少女”見習いの、怪物を収録。
傷心は、シリーズ6作目の『月下を孕く水妖』で遠子と心葉が行った、麻貴の別荘が舞台。
幽霊を見たら、それを驚喜しながら追いかける菜乃には、笑っちゃった。
怪物は、文化祭、文芸部は合唱部の舞台に参加することになる。心葉、相変わらず、すごくモテていますね。前作は、心葉が介入する前とはいえ人が死んでいたので、それが読み終えた後に引っかかったけど、今回は人死にがでなくて、良かった。
最後の終わりは驚いたけど、心葉が遠子のことを好きだと分かっているので、菜乃と彼女の関係に変化があっても、心葉は揺るがないと思っているので、不安にならずに後味は悪く感じない。
文学少女”見習いシリーズは三冊完結のようなので、次で終わりか。野村さんが次に出すのは挿話集3で、春頃らしいので、楽しみ。本編が終わっても番外編、短編集とあまり間をおかずにでているのが嬉しい。