神様のメモ帳

神様のメモ帳 (電撃文庫)

神様のメモ帳 (電撃文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
「ただの探偵じゃない。ニート探偵だ。世界を検索し死者の言葉を見つけ出す」路地裏に吹き溜まるニートたちを統べる“ニート探偵”アリスはそう言った。高校一年の冬に僕と同級生の彩夏を巻き込んだ怪事件、都市を蝕む凶悪ドラッグ“エンジェル・フィックス”―すべての謎は、部屋にひきこもる少女探偵アリスの手によって解体されていく。「真実はきみの平穏を破壊する可能性がある。それでも知りたいかい?」僕の答えに、普段は不真面目なニートたちが事件解決へと動き出す!情けなくておかしくて、ほんの少し切ない青春を描くニートティーン・ストーリー。

個人的に、杉井さんの本の序盤が苦手だ。まあ大概読み始めは中々読み進まないんだけど、杉井さんの小説にでてくる、無理やり出来事に引き込むようなキャラがあまり好きじゃない、主人公が受動的だというのもそれが苦手となっている一因かもしれないけど、主人公が引き込まれた場所の価値観、視点を共有するようになってからは、そういうキャラも好感をもてるようになるけど、それに至るまで読み進めなければいけないから、神様のメモ帳も面白いとは知っていたけど、新しいシリーズを読むのが億劫になってしまって、中々読むことができなかった。
薬物とか、バイオレンス的な雰囲気があった、そういうのは苦手なんだけど、まあ、表の出来事を書いても、『「世の中の、ニートではない人間のほとんどは、人間の資質がスカラーではなくベクトルであるということを理解できないのだね。口では、誰にだって長所はあるだの人それぞれだの可能性は無限だのといっておきながら、いざ実際に評価しようとすると一元的な世界しか想定できない」(P215)』から彼らには活躍するのは難しいと思うので、そういう雰囲気であっても必然性があるので、面白く読めた。