われら猫の子

われら猫の子 (講談社文庫)

われら猫の子 (講談社文庫)

内容説明
想像力は心の奥に分け入り、この世界を覆う地下鉄サリン事件のときにペルーにいた恋人と遠距離恋愛の末に結ばれた夫婦の、わだかまる心が解けていく会話が鮮やかな表題作ほか、小説の魅力きらめく短編集。
内容(「BOOK」データベースより)
子どもをつくることを躊躇う夫婦のわたがまりが解ける瞬間、処女のまま産み育てた息子が復讐しに来ると思い込む母親、あるはずのない異性器を持ちたいと切望する男女の交わり、死んだ父親に生きているふりをさせる少年少女たち…飛翔する想像力によって先入観を超え、固有の物語を紡ぎ出した傑作短篇集。

星野智幸さん、名前は知っていたけど読んでいなかった作家さん、丁度新刊で出ていたのと短編集で読みやすそうだったので購入。最近の日本文学で呼んだことのない人の作品を読むのはかなり久々。
全体的に読みやすく、嫌な感じの終わりかたの作品がないのもいい。最後の短編のエアの『リストカットの変奏ペニスカット』の描写はすごいに痛そうで読んでて変な感じを覚えてしまう。奇想的な作品が多く個人的には好みな作風だったので、近いうちに星野さんの小説をもう1冊くらい読もうと思う。