類推の山

類推の山 (河出文庫)

類推の山 (河出文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
はるかに高く遠く、光の過剰ゆえに不可視のまま、世界の中心にそびえる時空の原点―類推の山。その「至高点」をめざす真の精神の旅を、寓意と象徴、神秘と不思議、美しい挿話をちりばめながら描き出したシュルレアリスム小説の傑作。“どこか爽快で、どこか微笑ましく、どこか「元気の出る」ような”心おどる物語。

前から気になっていたけど、ようやく読了。シュルレアリスム小説はブルトンの『狂気の愛』を光文社古典新訳文庫で読んで、よくわからなかったから少し敬遠していたところもあったけど、面白く読めた。
シュルレアリスム小説だけど、文章がわかり難くなく面白い。最後がぶつりと切れて終わっていたのでなにかと思っていたら、初版への序を読んで、この作品が未完であることを知る。物語の筋は比較的単純で強烈な印象な人物もいないのにすごい魅力的だ。
第三章の挿話『空虚人と苦薔薇の物語』が特に印象的で面白かった。