古代文明と気候大変動―人類の運命を変えた二万年史

古代文明と気候大変動―人類の運命を変えた二万年史 (河出文庫)

古代文明と気候大変動―人類の運命を変えた二万年史 (河出文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
地球は一万五〇〇〇年前、氷河時代を終えて温暖化を迎え、人類は“長い夏”に育まれてきた。絶えず変動する気候に翻弄されながら、古代文明はいかにして生まれ、滅びたか。気候学の最新成果を駆使し、その興亡史を鮮やかに描き出すとともに、洪水や干魃などの大災害に対する現代文明の脆弱さに警鐘を鳴らす、壮大な人類史。

むろん、気候変動がヒッタイト帝国の終焉やナイル川沿いにおけるファラオの権力の低下を「引き起こした」わけではない。だが、これらの社会にどんな弱点や不公平、または非効率的が内在していたにせよ、干ばつはそれらを露呈させ、致命的な欠点に変え、そこから社会的混乱を招く力が解き放たれ、王たちを忘却の彼方へ葬り去ったのである。(P293)

歴史の本とか読むと地名がどんどんでるから少し混乱する、読むときに地図を手元に置いておくべきなのかな。
人がある土地に環境の変化などで住めなくなり、周辺の土地へ移動することをポンプ効果と呼ぶことをこの本を読んで、はじめて知ったけど想像しやすくていい表現だなあ。
動物を家畜化したことで人類は『すぐ近くで生かしたまま保存しうるようになった。(P247)』と書いてあり、生かしたまま保存という言葉はぞっとするような響きがあるなあ。
エジプトの神官が王のリストを編纂して、初代の王から更にさかのぼり伝説的な時代までおよんでいる、というのを読んで、日本だけでなくずっと昔のエジプトのそういった風な権威付けがあったのだとはじめて知った。
氷河期という言葉の印象から太古の昔の時代ことと考えていたが、ごく最近(といっても何百年前だけど)の1315年から1860年ごろまでの時代が小氷河期と呼ばれていると知り驚いた。