LOVE

LOVE (新潮文庫)

LOVE (新潮文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
家庭に居場所を得られず自転車を駆って遠征する少年、学校になじめず都バスに乗って往還する少女、超能力を持つ老女、ストリートミュージシャン、殺し屋、そして多くの野良猫。直感だけを生きる指針にして東京を疾走する者たちの、熱い鼓動がシンクロする―邂逅と別離のリンクから生まれるドラマを、軽やかなビート感にのせて鮮烈に描き、読書界を沸騰させた青春群像小説の傑作。


買おうとは思っていたけど実際に本屋で見るまではそのことを忘れていたので危うく買い忘れるところだった。しばらく読み進めてから、巻末の『二〇一〇年の後記、文庫版のための』を読んで、『「これは、いまは、書けない」と痛感した。(385P)』と書いてあって、そこで、『アラビア夜の種族』や『ベルカ、吠えないのか?』なら同じように書けるとあって、今は書けない小説としてあげられている『サウンドトラック』は読んだことがないけど、同じようにかけるといっている2作品は古川さんの小説で特に好きなものなので、そうだとするとこの本はあまり楽しめないかなと少し思ったけど、そんな不安は杞憂だった。
地名や場所について多く書き込んで説明されても土地勘がないのでちょっと想像がつきにくかった。わかる人には容易にその場所の情景を頭の中で描けるんだろうけど。東京の土地が重要な要素になっているところは、なんとなく15×24に近い感じがしないでもないような。